
地元コメ農家への貢献を目指す
初年度は約2万本を生産予定。まずはクラウドファンディング「CAMPFIRE」で実施しているプロジェクトの支援者に10月下旬から出荷し、11~12月頃に自社のECサイトで販売をスタート、来年1月頃から酒類販売店への展開も計画する。
細田康社長(右)と牧野恭取締役このほど蒸留所の竣工式とあわせて記者会見を開催した。同社が立地する越路地域について、細田康社長は「長岡市の中心街からほど近い距離にありながら、夏にはホタルが飛び交い、秋には山の稜線が紅葉で真っ赤に染まる。その自然豊かな環境を当社は地元住民の方々とかかわりながら保全に努めてきた」と話す。「KUBOTA GIN」でも里山がもたらす四季折々の風景や香りをイメージし、くつろぎや癒しを与えられるように表現していきたい考えだ。
ジン市場を選択した理由は牧野恭取締役経営企画部長が説明。世界的に市場の成長が続いていること、原料や製法の自由度が高いことの2点を挙げた。
また細田社長は「原点は地元農家に酒造好適米を作り続けていただくためにわれわれが役立てることはないかとの想い。米の使途を増やすため、日本酒以外のアルコール飲料の製造を検討した結果がジンになった」。
「KUBOTA GIN」は、飲みやすさ、香味のバランス、二杯目が欲しくなるキレ、上質感のある見た目など、日本酒「久保田」が持つ品質へのこだわりや高級感を表現した。ジェニバーベリーやコリアンダーシードをはじめ16種類のボタニカルの中には里山を感じさせる杉の葉、ほのかな甘みが感じられる甘酒などを使用。開発にあたっては社員2人が長崎の蒸留所で約3か月間にわたり修行した。

「まずはストレートかロックで飲んでいただきたい。ジントニックやジンソーダもおすすめ。和食・洋食など様々な料理と相性が良い。香りの変化も楽しんでいただければ」(牧野取締役)。
今後に向けては季節性のある商品バリエーションなどを検討する予定。また酒造好適米の活用を促進するため、原料アルコールへの使用をはじめ、日本酒を生かした製品化の研究開発も続ける。