2024年の家庭用マヨネーズ・ドレッシング市場は前年比1.4%増(本紙推定)。マヨネーズは金額ベースだけでなく物量でも前年超え。
ドレッシングは金額ベースほぼ横ばいで着地。24年は野菜価格高騰などもあったが、需給に与える影響は限定的だった。タルタルソースなどバラエティーも広がり、市場は活性化している。

マヨ・ドレはサラダ用途だけでなく、炒め物やタレなど汎用調味料としての利用法が定着。サラダ以外の用途はマヨネーズで50%を超え、ドレッシングでは20%まで拡大している。

原材料や資材、各種コストアップの影響を受けながらも堅調に動いた家庭用マヨ・ドレ市場。マヨネーズをベース材料としたタルタルソースも順調に伸び続けている。ここ数年、フライはもちろん、ハンバーガー、ピザ、グリルなどタルタルソースを採用した外食メニューが増加。家庭内利用の伸びにもつながっている。外食でタルタルソースを使ったメニューが増え続ける背景には、調理現場の人手不足がある。手間いらずのタルタルソースへの切り替えが増えたことも好調の要因だ。

内外で需要が拡大する中、メーカーもレモンやいぶりがっこなどの新たなフレーバーを用意し、タルタルソースはバラエティー化している。
キユーピーでは昨年、夏に合うタルタルをコンセプトに市販用「具だくさんレモンタルタル」を発売した。鶏のから揚げなどでの利用を想定し、レモンの爽やかさとタマネギの食感を生かし夏場の需要を喚起。1年で約250万本を売り上げるヒット商品になった。カキフライ、エビフライ、チキン南蛮など、冬に集中していたタルタルソースの需要は、鶏のから揚げへの利用が進み、夏場にもピークが分散された。

キユーピーは、家庭用と業務用を合わせたタルタルソースの売上高が70億円。これを28年度には100億円まで成長させる計画だ。特に今年は「キユーピーマヨネーズ」発売100周年が起爆剤になりそうだ。

理研ビタミンでは2月に「リケンのノンオイル ノンオイルタルタルクリーミー」を投入した。タルタルソースに不満がある人が訴える「カロリーの高さ」「メニューが限定される」「使い切れない」といった点を解決する商品として発売した。

担当者は「タルタルソースが並ぶマヨネーズの棚に入っていることが多く、ドレッシング以外の棚でも『リケンのノンオイル』を訴求できている。想定を上回る初動で、一時期は欠品するほどだった」と振り返る。マヨ・ドレ市場はバラエティー性が増している。
市場が活性化することで、まだまだ勢いは続きそうだ。
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