マルハニチロは、2026年3月に「Umios(ウミオス)」への社名変更や高輪ゲートウェイエリアへの本社移転を予定しているが、これらを含む企業変革費用として25~27年度の3か年で約150億円の投資を計画している。同社は前身のマルハが1880年に創業して145年の歴史を数えるが、次の100年を見据えた変革に本腰を入れる。


社名変更の目的は、ルーツである海を起点に、食の提供を通じてグローバルに社会や地球の課題解決に貢献できる企業(=ソリューションカンパニー)に変革していくためだ。高輪ゲートウェイエリアへの本社移転では東日本旅客鉄道(JR東日本)、東京大学との協創に参画し、未来に向けた「新たな食の可能性」への挑戦に取り組む。

初年度はCI変更に伴うブランディング・包材変更や本社移転などで約50億円を販管費として計上する。これに伴い26年3月期の営業利益は11.1%減(270億円)と前期の過去最高益(304億円)から二ケタ減益に転じる予想とした。26~27年度も同程度の費用を主に新CIの浸透に投資する方針。

このほど開催した決算説明会の席上、小関仁孝常務執行役員は「10年後、20年後に向けて会社が大きく飛躍するための投資」と理解を求めた上で、「(マルハニチロからウミオスに社名変更することで)一時的にブランドの認知が下がるのは避けられない。まずはCI変更を成功裏に導くことが重要だ。可能な限り短期間で浸透させたいと思っているが、うまくいけば想定ほどの費用はかからないかもしれない。いずれにせよ、当社の方針や意思でコントロールしていける部分ではないか」との見通しも示した。
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