ファミリーマートは1月16日、本社で記者会見を開き、代表取締役社長の交代を発表した。細見研介社長は2026年2月末で退任し、後任には伊藤忠商事執行役員で第8カンパニープレジデントの小谷建夫氏が3月に就任する。
会見では細見社長が在任期間を総括するとともに、小谷次期社長が今後の経営方針を示した。

 細見社長は在任期間を振り返り、「特にコロナ禍という大きな逆風に直面した時期が強く印象に残っている」と述べた。一方で、「逆風は新しい事業や仕組みを生み出す原動力になった」とし、加盟店との対話を重ねながら、アパレル事業やリテールメディアなど新たな収益モデルに取り組んできたと説明した。

 その結果、加盟店利益は過去最高益を更新し、会社としての事業利益も1000億円達成が目前に迫る水準まで成長しているという。細見社長は「成果が数字として現れ、次の成長フェーズが明確に見えている今が、次世代にバトンを渡す最も良いタイミング」と語った。

 後任の小谷氏については、伊藤忠商事の繊維カンパニー時代から共に仕事をしてきた人物として、「現場と数字の両方を直視しながら意思決定してきた、深く信頼している人物」と紹介。フランチャイズビジネスへの理解や現場目線を評価し、「今のファミリーマートを託すにふさわしいリーダー」と述べた。自身は社長退任後、伊藤忠商事第1カンパニーに異動するが、「立場は変わっても、ファミリーマートを支え続ける気持ちは変わらない」と語った。

 新社長に就任する小谷氏は、コロナ禍からの早期回復や、今期第3四半期まで過去最高益を更新している点に触れ、DXによる省人化やリテールメディアの取り組みを挙げて「コンビニの次世代化に道筋をつけていただいた」と評価。「45周年という節目の年にバトンを受け取り、これらを根付かせ、さらに発展させていく」との考えを示した。

 質疑応答では、リテールメディアやアパレル事業について「基本方針は変えず、さらに進化させていく」と説明。併せて、食分野での商品開発力を改めて強化する姿勢を示した。
金融サービスとの連携についても、ATM機能の高度化や金融包摂の観点から「小売と金融は切っても切り離せない関係」と述べ、重要な成長領域として取り組む考えを示した。全国約1万6000店の店舗網と「ファミペイ」によるIDデータを強みに、広告分野に続き、金融や保険など新たな展開も視野に入れるとした。

 囲み取材では、細見社長がリテールメディア事業に触れ、広告単体から売り場やデジタルサイネージ、店舗スタッフと連動させる段階に入ったことで効果が出ていると説明。売上規模は100億円規模に達し年率3割程度で成長しているとし、「来期はアクセルを踏む」と語った。
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