「お~いお茶 濃い茶」(濃い茶)の飲用者層が拡大し、ここにきて“もっと濃いお茶”を求める声が顕在化した。

4月12日取材に応じた伊藤園の安田哲也マーケティング本部緑茶ブランドグループブランドマネジャーは「ボリュームゾーンである40・50代以上のお客様を増やしながら、30代男性や女性全般にも手に取っていただいている」と語る。


「濃い茶」は、2017年頃から上昇基調にあり、2019年にガレート型カテキンの働きで体脂肪を減らす機能があることが報告されている機能性表示食品へと刷新して勢いが加速。

インテージSRI+ によると、機能性表示食品飲料市場 2023年1月~2023年12月 累計販売本数で「濃い茶」はトップの地位を占める。

規模拡大に伴い22年末頃から、伊藤園のお客様相談室に「濃い茶」を上回る濃さを求める声が寄せられるようになったという。
「恐らく『濃い茶』を習慣的に飲まれることで『濃い茶』の味わいに慣れてしまい、より強い満足感を求めるようになるのだろう」と推察する。

23年10月には約200人の男女を対象にインターネット調査を実施したところ、5割弱が“もっと濃いお茶”を求めていることが判明した。その5割弱の多くは男性層だったという。


調査結果などを受け、限定非売品「お~いお茶 濃い茶 PREMIUM STRONG」を開発。「濃い茶」が今年、発売20周年の節目を迎えたことも記念して、4月1日からロックグラスなどと併せた「濃い茶 PREMIUM STRONG」体験セットが当たる「“もっと濃い”、濃い茶が当たる!キャンペーン」を実施している。

「濃い茶 PREMIUM STRONG」の商品化を見据えた取り組みでもあり、当選者にはアンケートを実施予定。そこから収集された声を受けて、味わいをさらに磨き、「濃い茶」を上回る味わいや健康価値を探っていく。

「濃い茶」が支持されている要因には“おいしさ”を挙げる。具体的には後味のキレにあるという。


「渋味が強いのはよいのだが、後味に残ってしまう渋味だと忌避されてしまう。現在の『濃い茶』は最初に渋味がガツンときて後味のキレがいい設計になっている。『濃い茶 PREMIUM STRONG』はもっと渋味と旨みが濃くて後味のキレが一層感じられる設計にしたいと考えている」と説明する。

なお24年1-12月の「濃い茶」の販売数量はほぼ前年並み。販売金額は価格改定の影響もあり2桁増を記録した。