『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『大阪・関西万博』について語った。
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★今週のひと言「大阪・関西万博の関係者の皆さま、オファーをお待ちしています」
今回は現在絶賛(?)開催中の「大阪・関西万博」について書いていきたいと思う。
最初に断っておきたいのだが、当コラムを執筆している5月中旬現在、俺はまだ〝大阪・関西万博童貞〟であり、この先も万博に行く予定は今のところない。
というのも、まず万博に行くために仕事のスケジュールを調整したり、チケットを予約したりということが極めて面倒くさい。そして、それを放っておいても、開催期間中に何かしらの仕事絡みで万博にお呼ばれするんじゃねぇか、という助平心がギリ上回っている状態なのだ。
実際、開催前に万博での仕事のオファーが一度あったのだが、スケジュールの問題で泣く泣く断った経緯があるのだ。
つまり、自分からは行かないまでも、内心は興味津々であり、「呼んでくれたら飛んでくよ」という、万博関係者にとっては、まさに〝都合のいい男ポジション〟を気取っているのだ(スケジュール次第ではあるが)。
正直、万博の政治利用や、お金の問題などはイヤでも目に入ってくる。
しかし、俺にはそれについて意見できるほどの知識もなければ、そんなことを言い出せば、公共サービスの大半が万博と同じ問題を抱えているだろうということぐらいはわかる。
それでも自分にとって都合が良ければ、俺は利用するだけだ。それは先述したように仕事をもらえるかも、という類いの話ではない。
「仕事で行けたらいいな」という願望は、自分でチケット手配などを含めてあれこれ準備する手間が省けるという意味であって、俺の万博への興味は純粋に万国博覧会そのものにある。
さかのぼること20年前、俺の地元愛知で開催された「愛・地球博」(愛知万博/2005年開催)。
そんな中、俺は当たり前のように学校の教室に回ってくる万博反対の署名運動にサインした。......したのだが、結局数年後に、万博は何事もなかったかのように開催された。
俺は当時彼女だった今の嫁さんと2回も万博に行ったし、それはテーマパークや旅行とも違う万国博覧会特有の経験として、良い思い出となっている。ちなみに、大阪・関西万博の跡地にはカジノが誘致されるらしく、そういった意味でもキナ臭くはあるが、愛知万博の跡地はジブリパークとなった。平和だ。
正直そんなもんなのだ。
そんな中、日々Xのタイムラインに流れてくる一部の万博ネガティブキャンペーンに対しこうつぶやいた。
「行ってないし行く気もない奴らの万博の悪口もういいって。誰が得すんの。」
素直な気持ちだ。
万博の裏側に何がうごめいているかなんて計り知れないが、まっとうな批判と、妄想じみた陰謀論、ただの難癖の区別ぐらいはつく。
開催前ならともかく、われわれの税金も使われ開催されてしまった以上は、反対だろうが賛成だろうが、せめて楽しむしかない。
俺はそういうタイプだ。
しかし、というか案の定というか、やはりXでは一部からラッパーのくせに体制にこびを売り擦り寄り、分け前をいただく情けないヤツだのなんだのコメントがつき、言われたい放題だった。もう以前のようにイチイチそいつらにその場で反論したりもしないが、こうやってコラムのネタにしてやるぐらいがちょうどいい。
そして大阪・関西万博さん、何かしらお役に立てましたら、いつでもお仕事、お待ちしております!
撮影/田中智久