小田原ドラゴン(おだわら・どらごん) 1970年、兵庫県生まれ。『僕はスノーボードに行きたいのか?』でヤンマガ月間新人漫画賞奨励賞を受賞。
24年9月から週プレNEWS(集英社)でスタートした小田原ドラゴン渾身の新作漫画『堀田エボリューション』。果たして小田原ドラゴンという奇才はどんな道のりを経て、本作品にたどり着いたのか。ジックリ語っていきます。
連載第15回は『堀田エボリューション第17話』に登場した『チェリーナイツ』の田村についてのお話です。
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『堀田エボリューション』第17話「プロポーズ大作戦」に、『チェリーナイツ』の田村が登場しました。
これはちょっとしたクロスオーバー企画だったのですが、思いのほか読者の方々に喜んでいただけたようで、素直にうれしく思っています。

童貞漫画の金字塔『チェリーナイツ』(講談社)
ちょうど堀田の第17話が嵐の中のエピソードだったんですよね。そこでふと、『チェリーナイツ』の第44話も嵐の話だったなと思い出しまして。
堀田の担当編集者とは、打ち合わせのたびに『おやすみなさい。』や『チェリーナイツ』の話になることが多いのですが、正直なところ、僕自身はそのあたりの記憶があまり残っていません(笑)。というのも、当時は本当に忙しかったんです。

主人公は安定の童貞『ホスト一番星』(集英社)

不屈の名作『小田原ドラゴンくえすと』(小学館)
『チェリーナイツ』の連載が始まった頃、僕は集英社で『ホスト一番星』、小学館で『小田原ドラゴンくえすと』と、三誌で同時に連載を抱えていました。今思えば、よくやっていたなと思いますが、当時はとにかく目の前の締め切りをこなすことで精一杯でした。
特に『チェリーナイツ』は、毎週しっかりとオチをつける必要がある作品でした。話を考え、オチを決め、それを漫画として形にする。その繰り返しは、正直かなり苦しかったです。
一方で、『堀田エボリューション』にはそういった苦しさはありません。堀田というキャラクターは、長年僕の頭の中に住んでいた存在で、自然と物語が浮かんできます。だからこそ、描いていて楽しいし、無理がない。そういう意味では、今の自分にとってとても大切な作品なんです。
次回は『小田原ドラゴンくえすと』について、お話しできればと思っています。
《つづく》

『堀田エボリューション』(©小田原ドラゴン/集英社)は毎月第2/第4土曜日に更新。現在、全話無料配信中