小田原ドラゴン(おだわら・どらごん) 1970年、兵庫県生まれ。『僕はスノーボードに行きたいのか?』でヤンマガ月間新人漫画賞奨励賞を受賞。
24年9月から週プレNEWS(集英社)でスタートした小田原ドラゴン渾身の新作漫画『堀田エボリューション』。果たして小田原ドラゴンという奇才はどんな道のりを経て、本作品にたどり着いたのか。ジックリ語っていきます。
連載第18回は間もなく連載1周年を迎える『堀田エボリューション』について。
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2024年9月から、集英社の週プレNEWSで新作漫画『堀田エボリューション』の連載を月2回ペースで始めました。フィクション作品としては、なんと9年ぶりの新作です。
この『堀田エボリューション』は、かつてヤングマガジン(講談社)で描いていた『おやすみなさい。

童貞漫画の金字塔『おやすみなさい。』(講談社)
ここ数年は、『今夜は車内でおやすみなさい。』(講談社)や、今年7月から週刊SPA!本誌で始まった『今日も嫁が見つからない。』(扶桑社)など、セミドキュメンタリー形式の作品が中心でした。
ただ、たまに昔の『おやすみなさい。』や『チェリーナイツ』を読み返すと、「今だったらこう描くのにな」と思うことがあります。
理由ははっきりしていて、デビュー直後から漫画、取材、イラストなどの仕事が次々と舞い込んできたからです。

ドラマ化された『チェリーナイツ』(講談社)。
当時はヤンマガと専属契約を結んでいたんですが、担当編集者から「単発やイラストなら描いてもいいんじゃない?」と言われて、いろんな媒体で描いていました。漫画家ってそういうもんなんだな~と思って(笑)。
結果的に、複数の連載を同時に抱えることになり、原稿はギリギリまで粘って仕上げる日々。どうしても"書き殴り"みたいになってしまって......。当然、作品に納得できず、苦しい思いもしました。でも仕事は止まらないし、賞までいただいてしまうし......。

車中泊で日本一周! 『今夜は車内でおやすみなさい。』(講談社)
『堀田エボリューション』は、ずっと僕の頭の中で泳がせていた作品です。じっくり時間をかけて形にしました。フィクション作品としては、自分の集大成だと思って描いています。
僕にとって『堀田』は、すべてを込めた作品です。
そしてありがたいことに、今年10月には『堀田エボリューション』第1巻が発売されます。デジタルコミック限定です。週プレNEWSというネット媒体での連載なので、それもアリかなと思っています。
《つづく》

『堀田エボリューション』(©小田原ドラゴン/集英社)は毎月第2/第4土曜日に更新。現在、全話無料配信中