『キン肉マン』最新JC90巻が10月3日(金)に発売! 前巻89巻からゆでたまご先生が選ぶ名シーンは?
『週刊プレイボーイ』および『週プレNEWS』連載中(毎週月曜発売および更新)の漫画『キン肉マン』(ゆでたまご作)のジャンプコミックス(以下、JC)各巻の中から、ゆでたまご先生ご自身にお気に入りの原画を選んでご紹介いただくシリーズ企画"ゆで原画"第38回。
宇宙そのものの崩壊を目論み暗躍する新勢力・時間超人の主力組"五大刻"と、正義超人、完璧超人ら既存の超人勢力から選ばれた精鋭たちが、世界を股にかけての同時対抗戦を展開中!『キン肉マン』最新JC90巻が、まもなく10月3日(金)発売に!
それを読む前におさらいを兼ねて......発売中の前巻JC89巻から作者・ゆでたまごの両先生に、思い入れの深い漫画原稿1枚をそれぞれ理由も添えて選んでもらった。
まずは原作シナリオ担当・嶋田隆司先生に選んでいただいたページはこの1枚(JC89/114ページより)。

ペシミマンの必殺技を受けてダウンし、万事休すかと思われたウォーズマン。しかし直後、試合場近くの施設から謎の音波が放たれ、それに呼応してウォーズマンの体に変化が起こる。全身至るところから鋭い鋲(びょう)が飛び出し、装甲も強化された姿に変貌を遂げた彼を、内部コンピューターは「エクストリームバトルモード」と呼称。それはウォーズマンが若き日を過ごした組織SKGBが、勝手に彼に内蔵していた秘密の最強戦闘モードであった!
――嶋田隆司先生(ゆでたまご・原作シナリオ担当)コメント
「昔の『ジャンプ』連載時代に恒例の超人募集とはまた別に、超人のコスチューム募集という読者応募企画をやったことがありまして、それでウォーズマン用の新しいコスチュームとして採用されたのがこのスタイルでした。
当時の読者の子供たちの間では結構、話題になってくれたようで、キンケシにまでなったんですけど、結局その時は扉イラストとして中井くんに描いてもらったことがあるだけで、本編でこの姿で闘うのを見せるということまではできませんでした。
それが僕のなかでちょっと心残りとしてあった中で、今回のペシミマン戦はウォーズマンという超人のたどってきた道をすべて見せたいという思いでやっていて、クロエというのもその大事な要素のひとつだったんですけど、このコスチュームもぜひストーリーに組みこんで披露したいということで、とうとう本編で日の目を見せることができました。
とはいえウォーズマン自身はこの姿で闘うのは嫌がるだろうな、という気はしていたので、そこをどうしようかというのは少し悩んだんですけど、ちょうどSKGBというウォーズマンの嫌な過去をまるごと抱えたような組織も出てきていたので、そこにうまくはめ込めたのも出しどころのタイミング含めてちょうどよかったのかなと思ってます」
そして作画担当・中井義則先生に選んでいただいたのがこの1枚(JC89巻/146ページより)。

エクストリームバトルモードの起動により、まさに全身凶器と化したウォーズマンは殺傷能力の高まりすぎた自身の一挙一動に恐怖を感じる。しかし対戦相手のペシミマンは、それで攻撃をためらうのは侮辱行為に等しいとウォーズマンを叱咤。むしろちょうどいいハンディキャップであるとし、そのすべてを駆使した最高の攻撃を見せてみろと要求。それに応えてウォーズマンが放ってみせたのは、身の毛もよだつ恐ろしいこの新技であった!
――中井義則先生(ゆでたまご・作画担当)コメント
「ウォーズマンのこのコスチューム、相棒も同じことを話したと思うんですけど昔の『ジャンプ』で読者の新コスチューム案として採用されたものでして、その際に僕が描いたのはちょうど40年くらい前。
僕個人としてはこういうゴテゴテした装具がたくさん付いてるのは描きづらいのもありますし(笑)、正直あまり好みではないんですが、大事にしたいと思ったのはウォーズマンって、正義超人になってから冷徹さ、非情な部分が抑えられてるところもあったので、このスーツならそういう初期のウォーズマンにあった特有の怖さがもう一回出せるんじゃないかというところでした。
それで相棒にこのコスチューム用の技を考えようという話をされた時に、初期のあの残虐超人として描かれていたウォーズマンがこのコスチュームで出すならどんな技になるか、というイメージで原稿執筆中に考えついたのが、この技です。
もし当時のキン肉マン戦でこの技が出ていたら、試合の流れや結果にも大きく影響したのかな...とか、いろんな想像や感慨も湧き上がりながら、楽しんで描けました」
"五大刻"の一角・ペシミマンと一進一退の攻防を続けるウォーズマン、その激闘の結末は!? そしてレバノンではネプチューンマンが禁断の策を発動し、あのマリポーサを倒した強豪パピヨンマンと見応え満点の超絶バトルを繰り広げる!
取材・文/山下貴弘 ©ゆでたまご/集英社