ホリエモン×ひろゆきが考える、中国「新華社通信」のように日本...の画像はこちら >>

"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、中国メディアがお披露目して話題となったAIアナウンサーについて語る。

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ホリ 中国国営メディア「新華社通信」が、AIアナウンサーをお披露目していたけど、動画見た?

ひろ 見ましたよ。英語のニュースを読み上げるAIアナウンサーでしたけど、ちゃんと中国語なまりの英語になっていて、意外としっかりしているなぁと。

ホリ よくあるテキスト読み上げソフトのカタコトな感じもないし、映像部分も違和感がないんだよね。まばたきとかしぐさを見ていると、本当の人間なんじゃないかと思うレベル。はっきり言って、もう実用化十分だと思ったわ。

ひろ 確かに映像を見ていると、そう感じますよね。

ホリ それにAIアナウンサーって、人間と違って不祥事を起こすことがないから、放送局もリスクヘッジができる(笑)。ストレートニュースを読むだけなら、これで十分なんだから、ニュースキャスターはものスゴイ勢いでAI化が進んでいくと思う。特にNHKのアナウンサーみたいに個性を消す方向のアナウンサーは最初に消えていくはず。

ひろ ただ、「これAI関係なくね?」って思っちゃうんですよ。音声読み上げの質が上がったのと、CGキャラクターの見た目がより人間っぽくなっただけのような気がしていて、人工知能とか別に使ってないよなぁ、と。最近はAIじゃないものまでAIって呼ぶ風潮がある気がして......。

ホリ いやいや、AIアナウンサーにはディープラーニングを使ってるよ。アナウンサーの音声ビッグデータで深層学習をしているの。フジテレビ『新・週刊フジテレビ批評』や日本テレビ『ズームイン!!サタデー』などに出演し、びわ湖放送でレギュラー番組を持つAIアナウンサー荒木ゆいもアナウンサー音声の深層学習だから。

iPhoneなんかに入っているSiriとか、アマゾンが始めているオーディオブックの「Audible(オーディブル)」とかは、一般人の音声ビッグデータを使っているので読み上げはあまりうまくないけど、AIアナウンサーのはプロのアナウンサーの読み上げだから聞きやすいんだよ。

ひろ へー。ってことは、ただの統計データを「AI」と呼んじゃうケースとは違うんすね。

ホリ そそ。

ひろ あと、確かにAIアナウンサー自体は面白い試みなんですけど、「既存のアナウンサーがAIに置き換わるか?」っていうと、日本ではどうかなって思っちゃうんですよ。日本って"コメンテーター"という謎の役割をする人がいて、専門家でもない人が感想を言うじゃないですか。

AIがコメンテーターになるのは難しいと思うんですよ。でも、日本ってコメンテーターが出て庶民の怒りを代弁する番組のほうが視聴率は高いので、そのへんはなかなか変わらない気がします。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが話題のAIアナウンサーに「進歩していけば、豊かな感情やかけ合いもできるようになる」

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。

SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)

構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル