「ZEN(禅)」という言葉は、世界各国どこでも通用する国際語になり、とくに欧米での関心は高まっている。体のトレーニングと同様に、健やかな心の力を維持し、毎日気分よく過ごすためにも心のトレーニングも必要。
『捨てること、離れること』(升野俊明著、大和書房刊)では、曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学名誉教授の升野俊明氏が、快適に心軽やかに過ごすための「捨てる」「離れる」禅的思考を紹介する。
禅の考え方は、体で会得するもの。そのために禅僧は日々、修行に励んでいる。禅の修行はひたすら坐禅をしたり、厳しいものを想像するかもしれないが、そんなことはなく、普段の生活の中でもできる行がたくさんあるという。
その中でも升野氏がおすすめするのが掃除だ。
仏教には「貪瞋痴」という三毒がある。
禅では、「瞋」の怒りの感情は、頭にもち上げるなと説く。腹にとどめておけということだ。
本書は禅の教えから「捨てる」「離れる」をテーマに取り上げている。捨てるもの、離れるものを日々の暮らしの中で見つけ、心を健やかにするためにも、心のトレーニングをしてみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)