午前9時にスタートした開会式では、応援に駆けつけたEXILEの橘ケンチさんが「4年ぶりの大会を楽しみにしていました。全国大会が懸かっていますが、暑いのでしっかり水分補給して、楽しみながら思い出に残る一日にしてください」と挨拶。また、かつてこの大会に出場経験のあるBALLISTIK BOYZの砂田将宏さんも「10年前に出場した記憶は今も強く残っています。
試合前にはEXILEのTETUSYAさんが監修した「クラッキ!ダンス」を行うのがお決まり。2010年の南アフリカW杯日本代表応援ソングであるEXILEの「VICTORY」が流れると、選手も大人も一緒になってウォーミングアップを開始し、選手たちは笑顔を見せながら、シュートを打つような動作を交えた体操で体をほぐした。
予選リーグは4チームずつ10グループに分かれて7分ハーフの試合が行われた。6つのコートでの同時キックオフ、試合後2分のインターバルを経て次の試合が行われる流れだったが、連戦にならないよう配慮されているだけでなく、給水エリアを設けたり、各所に扇風機を設置したりと熱中症対策も万全だった。
予選リーグから注目カードが目白押しで、6月の第33回全日本U-12フットサル選手権(バーモントカップ)沖縄県大会で準優勝のたきばる東ジュニアと、2019年にこの九州大会を制したFCヴォルティーダ沖縄ジュニアの直接対決が実現。
予選リーグも得失点差や総得点が絡む3試合目になると、他チームの動向を気にしながらの戦いとなり、各コートでゴールを追求するアグレッシブな試合展開が多く見られた。そして予選リーグの全60試合を消化し、勝ち抜いた16チームが午後からの決勝トーナメントで雌雄を決することとなった。
その中の1チーム、琉球フリーバーズは、背番号10を背負う女子選手の當眞ひか主将を中心に予選リーグを無失点の全勝で勝ち上がってきた。「努力と負けん気はチーム一」という宮城武彦監督の言葉どおり、當眞選手は磨き上げたドリブルで男子選手を相手に強気の姿勢を見せ、予選リーグだけで7ゴールを挙げる大活躍。
全戦、白熱の試合となった決勝トーナメントもいよいよ佳境を迎え、決勝進出チームがついに決定した。一つ目は準決勝で本部JFCを3−0で下し、決勝トーナメントにおいて無失点の堅守を誇ったフェルサFC。もう一つは予選リーグで参加チーム中最多の20ゴールを決める攻撃力を披露するとともに、トーナメントでは2度のPK戦を制する粘り強さを発揮した若狭サッカークラブだった。
西日が照らすピッチで始まった決勝戦では、前半2分、FKのボールを受けた主将・大城凛斗選手の中距離砲が決まり若狭サッカークラブが先制。
先のバーモントカップでは地区予選敗退で県大会へ進めず、「その悔しさがあってEXILE CUPへの出場を決めた」と話す大城裕介監督率いる若狭サッカークラブは、大会初出場での栄冠。「今年は期待できるチームだと思っていたので、全国へ行けるこの大会で結果を残したかった」という指揮官の期待に選手たちが応え、見事に全国大会への切符を手にした。
その監督の息子である主将の大城凛斗選手は、「俺が点を取ってヒーローになりたいという気持ちが得点につながったし、自分は味方を活かすスルーパスも得意にしているので結果が出てうれしかった」と素直に喜んだ。県外の強豪と戦う機会がなかなか難しい環境下、「全国チームのレベルを体感でき、いろいろ学べる機会も得られると思う。それを経験して全日本(U-12サッカー選手権大会)に向けて弾みをつけるだけでなく、出るからには(EXILE CUPで)優勝したい」と意気込んだ。
EXILE CUPの全国大会は9月17日に愛媛県の「今治里山スタジアム/ありがとうサービス.夢スタジアム」で熱戦が繰り広げられる。
文=仲本 兼進 写真=川畑 公平