AFCアジアカップカタール2023でグループEを2位通過して決勝トーナメントに進出した韓国代表について、母国メディアが問題点を指摘した。

 韓国代表はグループEでバーレーン代表、ヨルダン代表、マレーシア代表と同居。
当初は他チームを圧倒して決勝トーナメントに進出するものと思われていたが、ふたを開けてみれば1勝2分と苦戦。最終節では“格下”マレーシア代表に終了間際の失点で追いつかれ、3-3で試合を終えた。

 韓国メディア『news1』は27日、韓国代表のグループステージの戦いを総括。「16強進出の過程は順調ではなかった」と伝えた。

『news1』は「特に25日に行われたマレーシア戦の3-3という結果には失望した」とし、次のように続けた。

「(ユルゲン・)クリンスマン監督も『怒っているし、不満な部分がある』と無念さをにじませた。
選手たちも頭を下げたままスタジアムをあとにした」

 また、同メディアは韓国代表が抱えている問題点も指摘している。

「何より懸念されるのは、今回の代表チームが心理的に揺れているということだ。体力、技術、戦術、心理的要因がすべて合わさって競技力になるものだが、このうち心理面が揺れて不安定になれば他のすべての要素も急激に落ち込む」

 同メディアによれば、選手たちの心理面の不安定さは試合中の様子に表れているという。チームメイトがミスをした際、現在の選手たちはあからさまに不満をあらわにしており、「昨年の好調時には仲間たちのミスを微笑んで励ましていた。その姿とはあまりに対照的な雰囲気だ」とした。

 さらに、同メディアはチームをけん引する存在であるエースFWソン・フンミン(トッテナム/イングランド)にも、心理面の違いが顕著に表れていることを危惧。
「リーダーでベテランのソン・フンミンに仲間たちへの不満を示すような表情が頻繁に見えると、チームの雰囲気がさらに沈んでしまう」と憂慮した。

 かつては、不屈の闘志がストロングポイントになっていた韓国代表だが、今大会では選手たちが下を向く姿も散見される。近年は「アジアの戦いは楽ではない」という言葉がよく聞かれるようになったが、その言葉は同じくグループステージで苦しんだ日本代表だけでなく、韓国代表にも当てはまっているようだ。

 韓国代表は、30日に行われる決勝トーナメントのラウンド16でサウジアラビア代表と対戦する。