来シーズンから変更となるFAカップの新フォーマットに、イングランドの下部クラブから批判の声が上がっているようだ。18日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。


 今回、FAとプレミアリーグはFAカップのフォーマットを強化し、新しい独占的なカレンダーウインドウを設けるという締結に合意。FAカップのフォーマットが変更となり、全ラウンドが週末開催になったことなどに加え、来シーズンからの最低6年間はこれまで4回戦まで採用されていた再試合制度が1回戦から廃止されることになった。

 過密スケジュールが問題視されている現在のサッカー界に一石を投じる今回の変更は、日程緩和や負傷リスクの軽減などの観点から評価を受ける一方、主にEFLリーグ1(イングランド3部)以下の下部カテゴリーに所属するクラブからは批判の声が上がっている模様。EFLリーグ2(イングランド4部)のトレンメア・ローヴァーズFCは18日にクラブ公式サイトで声明を発表し、「EFLリーグ(3~4部)のクラブ、ナショナルリーグ(5~6部)のクラブ、アマチュアクラブにとって、この大会はサポーターの生涯の思い出を作る最高の機会であるだけでなく、非常に重要な収入源でもある」と述べつつ、「この決定とその方法は、フットボールピラミッドとそのファンに対する敬意をまったく欠いている」と厳しい言葉で批判した。

 また、多くのクラブが経済的損失を危惧するなか、EFLリーグ1のスティヴネイジFCで会長を務めるフィル・ウォレス氏は、「ナショナルリーグのクラブがプレミアリーグのクラブと引き分け、ホームでドローになったときのことを想像してみてほしい。それがFAカップの“魔法”であり、もうそんなことは起こらないだろう」と主張。
さらに、ナショナル・リーグ・サウス(6部)のファンボローFCは、「プレミアリーグのクラブがまだ大会に参加していないのに(※プレミアリーグのクラブは3回戦から参加)、1回戦から再試合を中止するのはさらに奇妙に思える」と疑問を投げかけている。