2007年1月22日生まれで現在17歳のクバルシは、“ラ・マシア”(バルセロナの育成組織)で育ったセンターバック。2018年夏、同じカタルーニャ州のクラブであるジローナのカンテラからバルセロナへ移籍すると、以降は“ブラウグラナ”のユニフォームを身に纏って成長を続けてきた。今シーズンは前半戦こそバルセロナ・アトレティック(Bチーム)を主戦場としていたものの、今年1月19日に行われたコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)ラウンド16のウニオニスタス・デ・サラマンカ戦(○3-1)でハーフタイム明けから途中出場し、トップチームデビューを飾る。以降はトップチームでも主力に定着し、ここまで公式戦18試合に出場。ラ・リーガだけでなくチャンピオンズリーグ(CL)でも最終ラインを支え、守備力は言わずもがな、シャビ・エルナンデス監督からはビルドアップ能力も高く評価されている。
長きにわたってバルセロナの最終ラインを支えていくことになるであろう“逸材”のセンターバックに対して、バルセロナは早くから契約延長交渉に着手。
また、クバルシは現在17歳のため、法律の規定により3年間以上の契約を締結することができない。だが、バルセロナはクバルシと“同期”のスペイン代表FWラミン・ヤマルと同様のやり方、“ラミン方式”で新契約締結までのプロセスを進めるようだ。
一方、ラ・リーガが独自で設けているサラリーキャップのシステムに抵触する可能性が懸念事項として挙げられる。その場合、クバルシはトップチームの選手としてではなく、バルセロナ・アトレティックの選手として新契約を結ぶことになるという。スペイン代表MFガビが通ったルートだ。
今回の契約延長の最大目的は、“逸材”の安易な流出を避けるところにある。
しかし、今回の新契約が結ばれれば、バルセロナが納得できない金額でクバルシの流出を防ぐことができる。報道によると、クバルシの契約解除金は10億ユーロ(約1677億円)に設定される見込み。ヤマルやガビ、ウルグアイ代表DFロナルド・アラウホ、スペイン代表MFペドリ、同FWフェラン・トーレス、同FWアンス・ファティ(現在はブライトンへレンタル移籍中)と同じく、将来を嘱望されたバルセロナの選手として“10億ユーロプレイヤー”への仲間入りを果たすこととなる。
あくまでこの金額は契約解除金のため、必ずしもクバルシ獲得のために10億ユーロを支払わなければならないわけではない。
バルセロナは2023-24シーズンが終了する前に、クバルシと新契約を締結したいと考えているようだ。17歳の若きセンターバックとの契約延長は、もはや時間の問題と見られている。