AFC U23アジアカップ カタール2024・決勝が3日に行われ、U-23日本代表はU-23ウズベキスタン代表を1-0で下した。同試合の終了後、表彰式が行われ、U-23日本代表のMF藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン/ベルギー)がMVP(最優秀選手賞)を受賞した。


 1996年のアトランタ大会から続く8大会連続の五輪出場を決めたU-23日本代表と、ここまでの5試合で14得点無失点と抜群の安定感を誇るU-23ウズベキスタン代表の一戦は、立ち上がりから拮抗した展開に。U-23日本代表目線では攻めあぐねる時間帯が続き、スコアレスのまま終盤に突入。後半アディショナルタイムが11分と表示され、延長戦突入の可能性も考えられたなか、“正確無比な左足”がスコアを動かした。

 U-23日本代表はDF高井幸大(川崎フロンターレ)が高い位置でボールを奪うと、そこから藤田、FW荒木遼太郎(FC東京)と繋ぎ、ペナルティエリア手前の位置でMF山田楓喜(東京ヴェルディ)が前を向く。山田が得意の左足を振り抜くと、相手の股下を射抜く一撃がゴールネットを揺らした。今大会で初めてU-23ウズベキスタン代表からゴールを奪ったチームとなり、U-23日本代表が優勝へ近づいた。


 だが、直後にはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を経て、クロスボール対応の場面でDF関根大輝(柏レイソル)のハンドが認められ、最後の最後でPKのピンチを迎える。だが、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル)が完璧な読みで相手のシュートを弾き出し、“守護神”の活躍でU-23日本代表が絶体絶命の大ピンチを凌いだ。

 このまま11分間のアディショナルタイムでリードを守り切り、試合はこのままタイムアップを迎えた。U-23日本代表は“パリ五輪世代”で臨んだ2022年のU23アジアカップでU-23ウズベキスタン代表に敗れていたため、およそ2年越しのリベンジを達成。MF遠藤航(リヴァプール/イングランド)やFW浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)らを擁した2016年大会以来、4大会ぶりの優勝を成し遂げた。

 試合後には今大会のセレモニーが開催。
U-23ウズベキスタン代表がチーム単位でフェアプレー賞を受賞したほか、最優秀GK賞は、準決勝までクリーンシートを続けたU-23ウズベキスタン代表の“守護神”を務めるGKアブドボヒド・ネマトフに決定。得点王は4得点を挙げたU-23イラク代表FWアリ・ジャシムが輝いた。

 そして、大会を通してのMVPには藤田が選出された。キャプテンとして、不動の中盤として、発足当初から大岩ジャパンを支え続けた藤田は、今大会も主軸として5試合に出場。グループステージは多くの選手を起用したこともあって、フル出場したのは第1節のU-23中国代表戦(○1-0)のみだった。だが、決勝トーナメントに入ってからは全試合にフル出場。
パリオリンピック2024の出場権が懸かった準決勝のU-23イラク代表戦(○2-0)では、2つのアシストでU-23日本代表を勝利へ導いていた。

 今大会の表彰は下記の通り。

■AFC U23アジアカップ カタール2024・表彰
▼MVP
藤田譲瑠チマ(U-23日本代表)

▼得点王
アリ・ジャシム(4得点/U-23イラク代表)

▼最優秀GK賞
アブドボヒド・ネマトフ(U-23ウズベキスタン代表)

▼フェアプレー賞
U-23ウズベキスタン代表


【ハイライト動画】優勝へ導いた山田楓喜の左足シュート&GK小久保の勲章のPKストップ