シント・トロイデン(STVV)に所属する元日本代表FW岡崎慎司が、ホームでの現役ラストマッチを終えた。STVVが公式YouTubeで同選手の言葉を伝えた。


 今年2月に今シーズン限りでの現役引退を発表した岡崎は、17日に行われたジュピラー・プロ・リーグ プレーオフ第9節OHルーヴェン戦で、GK鈴木彩艶、MF伊藤涼太郎、MF山本理仁、MF藤田譲瑠チマとともに先発出場(※DF小川諒也は負傷欠場)。今月に入ってケガから復帰したばかりでコンディションが万全でないなか、前線で精力的にプレーした。そして52分、両チームの選手が作った花道に送り出されてピッチを後にし、STVVの本拠地『大王わさびスタイエンスタジアム』でのラストゲームを終えた。

 1-1のドローに終わった試合後、ホームラストゲームの感想を問われた岡崎は、まずトルステン・フィンク監督への感謝を口に。「最後まで『フィンクが監督で良かったな』と思う場面があって。今日も最初20分で『(体調は)どうだ?』という感じで、フィンクは当然勝ちたいので、そこで当然の意見を話してもらえた。
『自分は出たいです』と答えて、そこで僕の決意も固まって、(ケガから)復帰して結構足が痛いなかでのプレーだったのですが、吹っ切れてとりあえず飛ばして行こうかなと、『みんな見てくれ』と。『前半やり切らせてほしい』と言って、監督が使い続けてくれた」

「ずっと、そういう生き方をこのヨーロッパでやってきた。最後までやり切るという意味では、“らしい”終わり方だったなと思います。さらに、ああいう風に相手チームまでやってもらえる(花道を作ってもらえる)のも想像してなかったので、本当にいい終わり方ができたと思います。

 また、同胞の後輩たちに囲まれながらの引退については、素直に「幸せですね」と岡崎。欧州を舞台に日本人選手たちと切磋琢磨してきた自身のキャリアを振り返り、大きな可能性を秘めた若手たちにエールを送った。


「自分自身がヨーロッパに来て、何度も日本人の選手とブンデスでもプレミアでもスペインでもやりましたし、常にそこの場に日本人がいて、その選手たちのおかげで僕もやってこれたと思っている」

「今回シント・トロイデンで若い選手たちと一緒にやりながら、こういう選手たちをプレーで引っ張れない悔しさをめちゃくちゃ感じつつ、それが自分の引退を決意させる一つの要因ではあった。逆にこういう選手たちがもっと上にいってほしいなという思いがやっぱりあるので、そういう選手たちと一緒に最後を迎えたというのは運命なのかなとも思いますし、それを含めていい終わり方だったなと思います」

 1986年4月16日生まれの岡崎は、滝川第二高校卒業後の2005年に清水エスパルスでプロデビュー。J1リーグ通算121試合の出場で42ゴールを記録した。2011年1月にシュトゥットガルトへ移籍し、2013年夏からはマインツでプレー。ブンデスリーガでは通算128試合の出場で37ゴールを記録した。

 2015年夏に加入したレスターでも主力として活躍し、持ち味のハードワークで“奇跡”のプレミアリーグ優勝に大きく貢献。
同クラブで4シーズンを過ごした後はスペインに渡り、ウエスカやカルタヘナでプレーした。

 日本代表で国際Aマッチ通算119試合に出場し、歴代3位となる50ゴールを挙げたストライカーは、2022年夏からSTVVに加入。2年目の今季は負傷の影響もあって思うように出場時間を得られず、今年2月に今季限りでの現役引退を発表していた。

 STVVの今シーズン公式戦は残り1試合。DF渡辺剛、MF横田大祐が所属するヘントと25日に敵地で対戦する。


【試合ハイライト動画】シント・トロイデン 1-1 OHルーヴェン