ブラジルメディア『エスタード・ジ・サン・パウロ』や『ESPNブラジル』などは23日、2018年~2021年にパルメイラスで同僚だったブラジル人MFグスタヴォ・スカルパと、同FWウィリアン・ビゴ―ジによる仮想通貨(暗号資産)トラブルを報じている。

 現在30歳のスカルパはフルミネンセの下部組織を経てフルミネンセのトップチームでプロデビュー。
レッドブル・ブラガンチーノ、パルメイラス、ノッティンガム・フォレスト、オリンピアコスでプレーし、今年1月からアトレチコ・ミネイロの主力として活躍している。

 そんなスカルパは、パルメイラス時代のチームメートで現在はサントスに所属するブラジル人MFウィリアン・ビゴ―ジから毎月3.5~5パーセントの利益が生じるとXland社による仮想通貨投資を持ちかけられ自らの資金を投入。しかし、結果として、スカルパは約束された利益が得られないどころか合計640万レアル(約1億9500万円)を失うことになった(さらに、同時期にパルメイラスに所属していたブラジル人DFマイキも、ウィリアン・ビゴ―ジに勧められた投資により、大金を失ったとされている)。

 巨額を失ったスカルパは、仮想通貨投資を勧めたウィリアン・ビゴ―ジに対し返金を要求。しかしウィリアン・ビゴ―ジは自らに責任はないとし、返金はなされず双方の意見は平行線をたどっていた。

 そんななか、今回の報道によると、ウィリアン・ビゴ―ジは弁護士を通じて、「Xland社は2022年に破産宣告を受けたアメリカの暗号資産大手FTX社の債権者である。
FTX社は最大163億ドル(約2兆5600億円)を債権者に分配する予定で、スカルパが同意すればそこから資金が返金される」という趣旨の主張を裁判所に伝達した。

 しかし116ページ約970万件に及ぶFTX社の債権者リストにXland社や、そのパートナー、スカルパの名前も記載されていないとされ、スカルパの弁護人は「ウィリアン・ビゴージの主張は返済責任から逃れるためのごまかしだ」と反論し、ウィリアン・ビゴ―ジの主張が裁判所に却下され、別の形で解決に向かうことを望んでいる。