決勝戦としては歴代最多の5万8347人が詰め掛けた“名門対決”は、12分にカターレ富山内定の技巧派ドリブラー亀田歩夢がネットを揺らし流通経済大柏が先制するも、前橋育英が31分に柴野快仁のヘディングシュートで試合を振り出しに戻す。
前橋育英を率いる山田耕介監督は「今日の試合はPKじゃなかったら勝てなかった感じなんですけど、とにかく我慢して耐えて、何とか勝つことができて良かったと思います」と率直な思いを吐露しつつ、「今年はそんなに3-0、4-0はなく接戦で勝ってきたので、選手のために勝ちたいなというのがすごくありましたし、ここまでやってきたのだから日本一にしたいという思いは段々と強くなっていきました」と2度目の選手権制覇を振り返った。
群馬県屈指のサッカー名門校として知られ、全国の常連でもある前橋育英。しかし、昨年夏にはインターハイの群馬予選・準決勝で敗退し、全国への切符を逃している。“失意の夏”を乗り越え、全国制覇を成し遂げたことについて山田監督は次のようにコメントした。
「インターハイ県予選の準決勝でやられたんですけど、そこから選手と私もそうなんですが、選手同士でコミュニケーションを取っていくようになりました。夏休みが一番大事だという話になり、選手とも面談をするなどコミュニケーションをどんどん取るようにしました。9月にプレミアリーグが始まると大分良い方向になり、そこからどんどん進化していったような気がします」
初優勝を果たした7年前の第96回大会との違いについても質問が飛ぶと、「7年前の選手たちは何人もJリーガーになって、2年時からDFラインが変わっていないんですよね。3年時に日本一を取ることになるんですが、非常にまとまりがありました」と言及。その上で今回のチームについては次のように語った。
「それに比べると全然ダメということではなく、彼らのメンタリティーが徐々に強くなり、それがチーム一丸となって良い雰囲気になっていきました。