FIFAクラブワールドカップ2025・グループB第1節が15日に行われ、パリ・サンジェルマン(PSG/フランス)とアトレティコ・マドリード(スペイン)が対戦した。

 32チーム制に生まれ変わったクラブワールドカップは、大会2日目にして欧州屈指の強豪が激突する。
就任2年目のルイス・エンリケ監督の下で圧倒的完成度を誇るPSGはリーグ・アンで4連覇を達成したほか、悲願のチャンピオンズリーグ(CL)制覇も実現。クープ・ドゥ・フランスを含めて今シーズンは3冠を達成しており、今最も勢いがあるチームだといって良い。対するアトレティコ・マドリードはタイトルこそ逃したものの、ラ・リーガで3位、コパ・デル・レイでベスト4、ベスト16敗退に終わったCLでもレアル・マドリードとの激闘を演じるなど、その競争力は健在だ。

 グループステージ屈指の好カードに向けて、両チームは主力級をスタメンに並べた。PSGはアクラフ・ハキミやヴィティーニャ、デジレ・ドゥエ、フヴィチャ・クヴァラツヘリアら、アトレティコ・マドリードもロドリゴ・デ・パウルやフリアン・アルバレス、アントワーヌ・グリーズマンらが先発に名を連ねている。

 試合は立ち上がりからスピード感ある緊迫した展開が続く。3分にアルバレスの際どい直接FKでアトレティコ・マドリードがチャンスを作れば、PSGは中盤の底に入るヴィティーニャを起点に各選手が流動的に動きながらボールを保持。次第に圧力を強めると、19分には右サイドで細かくパスを繋いでボックス内へ侵入すると、最後はクヴァラツヘリアの落としを受けたファビアン・ルイスがゴール右下隅へ強烈なミドルシュートを突き刺し先制に成功した。

 PSGはその後も8割近いボール保持率を記録し、試合を優位に進める。ドゥエとクヴァラツヘリアが積極的な仕掛けを見せれば、中盤の面々やハキミとヌーノ・メンデスの両サイドバック(SB)も神出鬼没の動きを見せチャンスをうかがう。迎えた45+1分には自陣からカウンターを発動すると、左からカットインしたクヴァラツヘリアがDFを引き付けてパスを送り、ボックス内中央へ侵入したヴィティーニャがゴール右隅に蹴り込み貴重な追加点を奪った。

 2点リードで前半を終えたPSGは後半開始早々に決定機を作るも、クヴァラツヘリアがカットインから放った強烈なシュートはGKヤン・オブラクが左手一本で弾き出す。
すると57分、敵陣内でボールを奪ったショートカウンターを発動し、ドリブルで運んだジュリアーノ・シネオネがボックス内右へラストパス。アルバレスがゴール左下隅に流し込んだが、直前にコケのファウルがあったとして得点は認められなかった。

 前半と比較してチャンスも作れるようになっていたアトレティコ・マドリードだったが、78分にクレマン・ラングレが主審への抗議によって2枚目のイエローカードを提示され退場処分に。2点ビハインドに加えて数的不利での戦いを余儀なくされることとなった。82分には右サイドの深い位置へ侵入したマルコス・ジョレンテのグラウンダーのクロスにアレクサンダー・セルロートが合わせたが、シュートは枠を捉えることができなかった。

 最終盤にはゴール前のこぼれ球を拾ったセニー・マユルが鋭いシュートとイ・ガンインのPKでPSGが2点を追加。試合はこのまま終了し、強豪対決を制したPSGが白星発進に成功した。次節は19日に行われ、PSGはボタフォゴ(ブラジル)、アトレティコ・マドリードはシアトル・サウンダーズ(アメリカ)と対戦する。

【スコア】
パリ・サンジェルマン 4-0 アトレティコ・マドリード

【得点者】
1-0 19分 ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン)
2-0 45+1分 ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマン)
3-0 87分 セニー・マユル(パリ・サンジェルマン)
4-0 90+7分 イ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)


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