トッテナム・ホットスパーとニューカッスルによるプレシーズンマッチが3日、韓国で開催された。

 昨季のトッテナム・ホットスパーはプレミアリーグで17位と不本意な成績に終わったものの、ヨーロッパリーグでは優勝を果たし、今季はチャンピオンズリーグ(CL)に戻る権利を得た。
今夏にはアンジェ・ポステコグルー前監督が退任し、新たにブレントフォードからトーマス・フランク監督を招へい。夏の移籍市場では、昨季までレンタルで在籍していたマティス・テルとケヴィン・ダンソを買い取り、2023年9月に加入が発表されたルカ・ヴシュコヴィッチも合流。さらに、川崎フロンターレから高井幸大、ウェストハムからモハメド・クドゥスも迎え入れ、プレミアリーグでの巻き返しへ向けて準備を整えている。なお、高井はケガのため、今回のアジアツアーには帯同していない。

 対するニューカッスルは、昨季のプレミアリーグを5位で終え、CL出場権を獲得。今夏の移籍市場では、ノッティンガム・フォレストからアンソニー・エランガを迎え入れたほか、試合前日の2日にはサウサンプトンからGKアーロン・ラムズデールもレンタル移籍で獲得。マラガから引き抜いたアントニオ・コルデロについては既にウェステルローへの“武者修行”に出ることが決まっており、現時点での純粋な新戦力は2名のみと、ここまでは“静かな夏”を過ごしている。しかし、現在はアレクサンデル・イサクのリヴァプール行きと、ライプツィヒからベンヤミン・シェシュコの獲得も噂されており、夏がこのまま終わる気配はない。

 そんな両チームが、韓国の『ソウルワールドカップ競技場』でプレシーズンマッチを開催。トッテナム・ホットスパーのスターティングメンバーには、韓国代表の“エース”であり、今夏のトッテナム・ホットスパー退団を明言したソン・フンミンも名を連ねた。

 試合は立ち上がりの4分に動く。敵陣へ飛び出したケヴィン・ダンソが、ジェイコブ・マーフィーに対して厳しい寄せを見せ、ボールを奪い取ると、セカンドボールは前を向いた状態のブレナン・ジョンソンの元へ。
右足で狙い澄ました一撃を沈めて、トッテナム・ホットスパーが先制。ゴールセレブレーションでは、同試合がトッテナム・ホットスパーでの“ラストマッチ”となる可能性が高いソン・フンミンに捧げるパフォーマンスを披露した。

 だが、ニューカッスルもビハインドのまま前半を終えることは許さない。38分、マーフィーとのパス交換で前を向いたジョエリントンが前方へ預けると、敵陣中央で前を向いたアンソニー・ゴードンは左サイドへ広げる。オープンスペースから仕掛けたハーヴィー・バーンズは、カットインから右足でニアサイドを射抜き、ニューカッスルが試合を振り出しに戻して前半を終えた。

 後半に入ると、1-1のまま時計の針が進み、65分には“その時”が訪れる。ベンチスタートだったモハメド・クドゥスが準備を完了し、交代ボードに記された数字は「7」。ソン・フンミンが交代することがわかると、スタジアムに詰めかけた大観衆からは割れんばかりの拍手が贈られた。同時に、ピッチの上ではトッテナム・ホットスパーのイレブンから祝福の言葉をかけられると、ニューカッスルのイレブンも詰めかけ、最後は両イレブンによる“花道”を通って、スパーズのレジェンドが涙を浮かべながらピッチを後にした。

 結局、これ以上の得点が生まれることはなく、試合は1-1でタイムアップ。両チームにとってのアジアツアーの最終戦は、ドローの結果で終わった。

 この後、トッテナム・ホットスパーは7日、『アリアンツ・アレーナ』でバイエルンとのプレシーズンマッチが予定されている。
一方のニューカッスルは8日、本拠地『セント・ジェームズ・パーク』でエスパニョールとのプレシーズンマッチに臨む予定だ。

【スコア】
トッテナム・ホットスパー 1-1 ニューカッスル

【スコア】
1-0 4分 ブレナン・ジョンソン(トッテナム・ホットスパー)
1-1 38分 ハーヴィー・バーンズ(ニューカッスル)


【動画】両チームのゴールとソン・フンミンに対するセレブレーション







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