アスレティック・ビルバオは、アル・ナスルに所属するセンターバック(CB)アイメリク・ラポルテとの契約締結を前提に、同選手の個別トレーニングメニューを用意しているようだ。27日、スペイン紙『マルカ』が報じている。


 アイメリク・ラポルテの“古巣復帰”が現実味を帯び始めてから1カ月以上が経ち、まもなく夏の移籍市場が閉幕を迎えようとしている。が、いまだに公式発表には至っていない。「アスレティックか、ジロンダン・ボルドー(生まれ故郷近隣のクラブ)のどちらかでスパイクを脱ぎたい」と切に願った夢の“第一歩”を叶えるために、マルセイユ、ナポリ、バイエルン、レヴァークーゼンといったクラブからのオファーを断ったフレンチバスク人は、アスレティック・ビルバオとの個人合意にはとっくに達している。さらには先週、アル・ナスルのサウジアラビア・スーパーカップ出場を理由に中断していた、クラブと選手間での契約解除を巡った交渉が再開されると、一時は同週中に決着がつく可能性も報じられた。しかし27日時点では、『レサマ(練習場)』にその姿はなかった。

 それでもスペイン紙『マルカ』は、「再びともに歩み始める」とした上で、アスレティック・ビルバオのコーチ陣とフィジカルトレーナーが、すでにラポルテ専用のトレーニングメニューを作成していると指摘。というのも、同選手は今年4月30日を最後に公式戦に出場していないほか、今夏のプレシーズンも、契約解除交渉中だったことで大半を欠場していた。

 それに加えて、エルネスト・バルベルデ監督が率いるチームにおいて、センターバック事情が厳しいことも理由だ。現在、ドーピング陽性反応が確認されたイェライ・アルバレス(本人は故意ではないことを主張しているが…)と、前十字じん帯断裂の大ケガとなったウナイ・エギルスが戦線離脱中で、起用できるのが、ダニエル・ビビアンとアイトール・パレデスだけに。また、本職は右サイドバックだが、センターバックでもプレー可能なイニゴ・レクエも軽度の筋肉損傷と診断され、ラ・リーガとチャンピオンズリーグを同時並行で戦う“ロス・レオネス”にとっては、最大の不安材料になっているのだ。

 だからこそ、ラポルテに求められるのはいち早く本来のパフォーマンスを発揮することであり、そのためにアスレティック・ビルバオは、合流後すぐにトレーニングを始められるように、同選手専用のメニューを用意しているのだという。『マルカ』は、「センターバックの体調回復の進捗状況が、彼の初招集の時期を決定するだろう」と再デビューはコンディション次第と見解を示している。


 ラポルテが希った夢の実現は、ギリギリまで伸びることとなりそうだ。それでも、すでに加入後のトレーニングプランを練っているアスレティック・ビルバオと、魅力的なオファーにノーを突き付け、復帰に際して大幅な減俸ものんだ選手本人の努力が、結実することを願うばかりだ。
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