スペイン代表を率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督が、“ラ・ロハ”に対する並々ならぬ思いを語った。17日、スペイン紙『アス』が伝えている。


「ルイス・デ・ラ・フエンテは世界最高の監督か?」と、17日に実施された会見にて、記者から質問が飛んだ。2022年12月に就任した同指揮官は、翌年6月のイタリア戦(UEFAネーションズリーグ)を皮切りに、公式戦における無敗記録を伸ばし始めると、“完全優勝(7戦全勝)”を成し遂げたEURO2024も経て、15日のジョージア戦(W杯欧州予選)で、その数が『30』に到達。ビセンテ・デルボスケ監督の下で、“無敵艦隊”として畏怖された黄金期のチームを上回り、スペイン代表における新記録を樹立した。そして、18日のトルコ戦に勝利すれば、イタリア代表が保持する公式戦無敗の世界記録に並ぶこととなる。

 だからこそ、先の問いが投げかけられたわけだが、デ・ラ・フエンテ監督は「代表チームについて議論されることは、私にとって名誉なことだ。でも、個人に目を向けるのではなく、このチームが、この国にとってどのような意味を持つかに焦点を当てる必要がある。私はただ、日々自分の仕事をより良くしたいだけで、そのようなことは考えたこともない。ただ、期待に応えたいだけだよ」と胸中を明かした。

 そんな同指揮官は、スペイン代表の監督としてワールドカップで指揮を取ることが決定的となっている。長らく育成年代でキャリアを積んできた64歳は、オリンピックとEUROを経験した後、自身初となるサッカー界最高の大舞台に臨むことについて、「それはすべてを意味する。ずっと、“ラ・ロハ”の大ファンだったから。この国の代表チームを率いることは、私にとって特権であり、名誉なことなんだ。
これに勝るほどの名誉や喜びがあるかどうかはわからない。指導者として到達できる、最高の地位だ。この役職には、計り知れないほどの重要性がある」と噛み締めている。

 また、本大会の優勝候補と目される現状を語った、デ・ラ・フエンテ監督は「それに挙げられることが大事なんだ。成功とは、優勝を争うチャンスがあるということ。勝ちと負けの間には、非常に曖昧な境界線しか存在しない。成功とは、優勝するための戦いを続けられるということ。ワールドカップに、明確な優勝候補などいない」とその“肩書”は一握りのチームにしか与えられないからこそ、それはもう成功の証だと強調している。

「ルイス・デ・ラ・フエンテは世界最高の監督か?」と問われれば、チームに捧げられる情熱という点においては、すでにその域に達していると言えるだろう。前人未到の3冠(※EURO2008はルイス・アラゴネス監督)から早13年、ふたたびFIFAランクのトップに返り咲いた“新無敵艦隊”は今、紅く燃るほどの思いを抱えるルイス・デ・ラ・フエンテ監督の下で、世界一奪還を狙っている。
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