日本サッカー協会(JFA)は29日、評議員会を開催。承認された新理事による理事会を直後に行い、会長予定者となっていた宮本恒靖氏を承認し、宮本JFA会長が2期目を務めることが決まった。


2024年4月、JFA会長に就任した宮本氏。1期2年の2期目に入り、2028年3月末までの任期となる。また、岡田武史氏、野々村芳和氏、西原一将氏の副会長も留任となり、山本昌邦技術委員長も続投となることが決まった。一方で女子委員長は佐々木則夫氏が退任し、今泉守正氏が後任となることが決定している。

 山本技術委員長の続投について宮本会長は「前体制から技術委員会の活動を把握しているということ」を理由の一つとし、6月に控えるFIFAワールドカップ2026に向けて、「ナショナルチームダイレクターとしての大事な仕事もあるので、軸足を置きながら」副委員長などのサポート踏まえて進めていくとコメント。佐々木委員長の退任と今泉新委員長の就任については、「ある程度、長い間話し合い、ご自身の後継者として今泉さんを考えていると時間をかけて聞いていた。そこはスムーズな交代だった」としている。

 1期目では「継承と改革」を掲げていた宮本会長。2期目は「挑戦と実行」を大テーマとし、2026年から31年までの成長戦略の5つ柱として「Japan’s Way」「女子全体戦略」「都道府県FA発展戦略」「パートナーシップ戦略」「国際戦略」を挙げ、3つの梁として「組織・人材戦略」「DX戦略」「サステナビリティ戦略」を用いて、梁で戦略を結んでいくと大枠を説明。ゴールとして「競技面での成果」「女子サッカーの拡大」「社会的価値の創出」を目指すとした。31年までには2度の男女のワールドカップ本大会が含まれており、そこを意識しての戦略となる。

 就任会見の中で強調されたテーマとして、「女子サッカーの拡大」「世界での日本のプレゼンスの強化」「生涯スポーツとしてのサッカー」が挙がり、「女子サッカーの拡大」についてはAFCアジアカップでのなでしこジャパンの優勝の報道量などが国内でもSNSを中心に意見が多く挙がったが、「女子の立ち位置が世界で変わってきている」とし、「例えばSNSで選手が自チームに帰ったところで祝福を受けている重み、偉大さはもっと(日本からも)発信しないといけないと思っています。
23年のワールドカップ決勝で、トロフィープレゼンターが宮間あやさんで、それは優勝したからできること。そういう状態であることをもっと知ってもらわないといけない」と、発信強化の必要性を強調。「プロモーションにいかにお金を投じるかも大事。今まで足りなかったところもあると思います」と、JFAとしての売り上げを女子に積極的に回すことも視野に入れる。

「世界での日本のプレゼンスの強化」については、自身の2年間での活動を振り返り、「FIFAやAFC、東アジアサッカー連盟の人たちとのコミュニケーションを取ることを意識してきました。去年の10月にはFIFAの競技規則委員会の委員長を拝命しました。また、IFABというサッカーの競技規則を決める組織がありますけれども、そこでも諮問委員を拝命して、その活動にも参加してます。そういったところで得られる情報が日本のサッカーの発展につながるということもあると思いますし、いろいろな国際的組織に自分が入ること、たくさんの他の日本人が入ることで、国際の社会においての日本のプレゼンスを高めていくことが日本サッカーの発展につながるとも考えています」と続けた。また、「FIFAカウンシルという立場に出ていくこともすごく大事なこと」とFIFA理事への立候補への意欲も口にしている。

「生涯スポーツとしてのサッカー」については「競技としてのサッカー」と「参加、楽しむサッカー」の2つのピラミッドを同じように高めていくことが重要とし、部活などで競技スポーツとしてのキャリアを終えたタイミングを「引退」と表現することにも疑問を持っているとし、「いろいろな形でサッカーを続けられるような環境、場所を作っていくということが大切」と続けている。

 日本サッカー界では高校・大学年代でのサッカー部内での問題、Jリーグの指導者によるハラスメント事案、さらにはJFA内でも影山雅永前技術委員長がフランスで拘束される事案など、不祥事が続く状況となっている。コンプライアンスの徹底について改めて強調し、JFA、Jリーグ、WEリーグ、Jリーグ各クラブ、WEリーグ各クラブの連名による「日本サッカー 倫理・コンプライアンスに関する共同声明」も発表。
「この三十数年あまりで、日本のサッカーは飛躍的に進歩したと思います。 一方でコンプライアンス違反、暴言、暴力であったり、いろいろ事案が発生しているのも事実です。サッカー界はこの現状をしっかりと受け止めて、早急に再発防止に取り組んでいきます」と強い決意も語っている。
編集部おすすめ