1990年代のオートキャンプブームで大ヒットしたこのクルマ。じつは車中泊にもピッタリだった【車中泊を彩った往年の名車たち④】

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【概要】一般車のなかで車中泊モデルとして人気が高かった名車を車中泊雑誌『カーネル』編集長・オオハシが紹介する連載企画。第4回は三菱・デリカスペースギアが登場。



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パジェロの4WD性能と3列一体型シートをもつミニバン型SUV



「とにかくデカい! いや長い!!」



初めて三菱・デリカスペースギアを運転した際の印象だ。RV&アウトドア雑誌にアルバイトで潜り込むことに成功した約30年前。撮影のために、さまざまなRVに乗る機会があったが、初めて運転するクルマは、とにかく緊張した。



今回、同企画で紹介するスペースギアも、緊張したクルマのひとつ。ショート(標準)なら、現在のセレナやステップワゴンより短いくらい。しかし、ロングとなると一部のハイエースよりも長い。同連載担当のスペースギア初乗車がこのロングだったため、冒頭の言葉となったわけだ。



1990年代のオートキャンプブームで大ヒットしたこのクルマ。じつは車中泊にもピッタリだった【車中泊を彩った往年の名車たち④】
画像: デリカとしてはスターワゴンに次ぐモデル。1997年にマイナーチェンジが行われ、2007年1月に国内販売は終了。しかし海外への輸出販売のために2014年まで生産されていた。

デリカとしてはスターワゴンに次ぐモデル。1997年にマイナーチェンジが行われ、2007年1月に国内販売は終了。しかし海外への輸出販売のために2014年まで生産されていた。



そもそも発売は1994年5月。90年代に起こったキャンプブームが盛り上がりを見せるなか、大人気を誇っていたパジェロと同じ4WDシステムを「ミニバンなのに」採用。当時の、「RVといえば三菱」しかできないモデルだったと思う。



車内の広さ、走破性能の高さなどで、アウトドア好きから大きな支持を得ていたが、じつは車中泊にもピッタリだった。



その理由は、多彩なシートアレンジだ。特に8人乗りは3列シートがすべてつなげられるだけでなく、2列目シートが回転対座仕様(いまやなくなった!?)で、純正なのに、横向きだけでなく、応接室のように後ろ向きにもなった。



さて問題。当時の上司に「写真を見て、ロングかショートかわかりますか?」と聞いたところ、「自分はわかるが、一般読者はわからないのでは?」という返答だった。



皆さん、今回の写真はどちらかわかりますか? もしわかったら、編集部にご一報を。

何かプレゼントします。



三菱・デリカスペースギア
販売期間:1994年5月~2007年1月



1990年代のオートキャンプブームで大ヒットしたこのクルマ。じつは車中泊にもピッタリだった【車中泊を彩った往年の名車たち④】
画像1: 三菱・デリカスペースギア 販売期間:1994年5月~2007年1月



2代目パジェロをベースに製作された日本初のフロントエンジン仕様のハイルーフミニバン。当時、アウトドア好きの支持を得て、90年代のオートキャンプブームで大人気を博した。



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パジェロ譲りのスーパーセレクト4WD(2WD、フルタイム4WD、直結ハイレンジ4WD、直結ローレンジ4WD)を採用。最低地上高は210mm。高い悪路走破性を誇っていた。



多彩なシートアレンジがたまらない!



1990年代のオートキャンプブームで大ヒットしたこのクルマ。じつは車中泊にもピッタリだった【車中泊を彩った往年の名車たち④】
画像1: 多彩なシートアレンジがたまらない!



2+2+3の7人乗り。

2列目シートにはキャプテンシートを採用。



1990年代のオートキャンプブームで大ヒットしたこのクルマ。じつは車中泊にもピッタリだった【車中泊を彩った往年の名車たち④】
画像2: 多彩なシートアレンジがたまらない!



上の2点は8人乗りで、2列目がベンチシートとなっている。バスの補助席のような1名シートを折りたたむと、なんと横向きでも使用できた。



ちなみに後列のスライドドアは、前期型の場合、右側にはなく左側のみ。



1990年代のオートキャンプブームで大ヒットしたこのクルマ。じつは車中泊にもピッタリだった【車中泊を彩った往年の名車たち④】
画像3: 多彩なシートアレンジがたまらない!



2+3+3の8人乗り仕様。3列シートがすべてつながるフルフラット状態。

ショート(標準)で全長4695mm、室内長2850mm。ロングなら全長4995mmで室内長3295mmという広さ!



文:大橋保之(カーネル編集部) 
(カーネル2024年5月号vol.66より)