「パパのまくら、クサ~い」などとお子さんに言われたことはありませんか? 人間は一晩にコップ1杯分の汗をかきますが、その汗は敷き布団だけでなく枕にも吸収されます
ニトリ&無印良品「夏場でも快適に眠れる枕」3選。寝具販売員が...の画像はこちら >>
 そこに雑菌がわいて臭うわけですが、気温が上がってくると枕は頭を乗せただけでムシムシベタベタと不快な暑さを感じ、加齢臭を始めとするオジサン臭がするのもこの初夏の季節です。


 特に枕は顔に近いので、ニオイやベタベタを感じやすいものです。そこで今回は「快適で衛生的な枕選び」です。ベタベタムシムシとはさよならしたい、清潔感溢れる枕で眠りたい、そんな人のためにおすすめ商品からお手入れ方法までいつものように紹介しましょう。

季節と枕の関係

 まず、そもそも季節によって枕を買い替えたほうが良いのかについてですが、実はあまりその必要はないと考えます。なぜなら、やはり枕で1番重要なのは「高さ」だからです。適正な高さの枕であれば寝返りが打ちやすく、睡眠時の体温調整がうまくできます。そうなれば発汗も少なく、カバーなどをこまめに洗濯すればニオイは防げます。


 しかし、素材によっては通気性がなく熱がこもりやすい枕もあるのです。例えば低反発素材などは、通気性が期待できないうえに室温によって硬さや形が変わりやすいので、寝返りがしにくいです。フワフワのポリエステルはいい夢が見られそうですが、夏場になると熱がこもりやすく、洗えないものはムシムシするので、お手入れをマメにしないと悪夢そのものです。汗かきさんは特にカバーが必須でしょう。

 このように種類によっては寝返りがしにくかったり、衛生的に使いにくいものもありますので、長年使い続けてヘタリが出ている枕や、あまりに汚れが目立つ枕は季節の変わり目に新しくするのもありです。そんなこといっても「どんな枕を選んだらいいのかわからない」という声もあるでしょう。
お任せください、ここからは私の選んだ衛生的で快適な枕を3つ紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

1:暑くなったらニトリの「そば枕」

ニトリ&無印良品「夏場でも快適に眠れる枕」3選。寝具販売員が激押しする“新体験”の寝心地とは
ニトリ「綿生地そば枕」(1990円税込) ※画像は公式サイトより
 まずは、ニトリから「綿生地そば殻枕」(1990円税込)。暑くなればやっぱりこれです。そば殻は円錐の形をしており、空気の通りが良くて通気性があります。さらに放熱性や吸湿性も抜群で、蒸し暑い夏にはぴったりの素材なのです。特にこの枕は、綿生地を使用しているので夏場にはぴったりです。
両側のひもを使って高さや形を変えられるのもいいですね。そば殻の寿命は約1~2年と短く、中の実が潰れると片方に寄りがちです。ある程度の時期で新しいものに買い替えましょう。

2:未知との遭遇?新体験「3D枕」

ニトリ&無印良品「夏場でも快適に眠れる枕」3選。寝具販売員が激押しする“新体験”の寝心地とは
ニトリ「浮かぶように支える3D枕」(6990円税込) ※画像は公式サイトより
 次もニトリですが、この枕は少し変わっています。それが「浮かぶように支える3D枕」(6990円税込)です。本体はエラストマーという柔軟性と弾性を持つめずらしい素材を使っていいます。

 頭を乗せると、これが不思議なほど優しくしっかり支えてくれて、まさに未知の感触って感じです。
そして、この枕の1番のおすすめは通気性です。カバーも高さの調整シートもメッシュや網目状のポリエチレンで作ってあり、とにかく快適。少し重いですが他の素材よりも耐久性があり、これなら1年中快適で気持ち良く使えます。

3:丸洗いできれいにさっぱり枕

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無印良品「防ダニ 丸ごと洗えるまくら」(2990円税込み)※画像は公式サイトより
 そして忘れてはいけないのが無印良品です。こちらは「防ダニ丸ごと洗えるまくら」(2990円税込)です。生地のキルティングを細かくブロック状にしてあるため、中身が片寄りにくくなっているのが特徴ですが、何といっても丸洗いができて清潔だというところが最大のポイントです。中身はポリエステルなので、素材的には洗っても問題ありません。
また、洗った後は中身の素材が完全に乾いたことを確認してから使いましょう。長年使うと若干ヘタリやすくなりますが、寿命は約2~3年です。

枕のお手入れと長く使うコツ

 紹介した枕はほとんどが特別なものではなかったですが、通気性や衛生的な商品に絞ってみました。では、そんな枕をこれからも長く快適に使うにはどうしらいいのかを最後に紹介します。

 まず、元の素材を痛めたり、なかなか乾かなかったりするものもあるので、必要以上に洗わないほうがいいでしょう。しかし、そうはいっても洗えるものであれば、洗ったほうが衛生的にも、気持ち的にもすっきりします。
なので、夏場は洗うこともアリです。

 洗濯機に入れる際は他のものと別にしてネットを使って弱く洗い、洗った後はよく乾いたことを確認してから使いましょう。また、低反発や羽根枕、そば殻などは洗えないので、中身の湿気を抜くために日陰で陰干しがおすすめです。これを直射日光に当ててしまうと、本体が傷んだり、生地が焼けたりしてしまうのでやめましょう。

 これから本格的に暑くなれば、寝具の調整は春先や冬場と違ってきます。特に暑苦しくなると、自然と不要な寝返りも多くなるので、快適に過ごせる寝具を整えることは睡眠の質に関わってきます。本連載では皆さんの安眠と健康のための情報を、おすすめ商品と共に定期的に発信していきますので、次回も楽しみにしていてください。

<TEXT/Takeshi>

【Takeshi】
大手寝具メーカーに勤務。寝具や睡眠のプロでありながら、自然環境や魚、釣りのライターでもある。趣味で地方競馬やナンバーズ、ロト6なども愛する