1990年以来34年ぶりとなり1ドル=160円まで円安ドル高が進み、政府・日銀による為替介入で円高が一気に進むなど、乱高下が続く円相場。物価高で、何もしないでいるとお金が目減りしているのを実感する昨今、投資への意識が高まっている。

 新NISAも始まり株式投資に注目が集まっているが、FXトレーダーでもあり事業投資家でもある水島翔さんは、「為替相場にもチャンスがある」と話す。水島さんは中卒で地元・富山の建設会社や運送会社で働いていた、ごく普通のサラリーマンだった。運送会社の営業職では月収50万~60万円と同年代に比べてもらっていたものの、「このままではいけない。何か始めなくちゃ」と危機感を持ち、33歳からFXやネットでの情報発信を始め、今では月収2000万円を稼ぎ、好きなことで生きていくことを実現している。

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 そんな水島さんは、自らのライフスタイルや考え方を綴った著書『株式会社好きなことで生きていく』などの著書を持ち、「30代半ばまで普通のサラリーマンをしていた僕だって人生を変えることができた。少し頑張れば誰にでもできることを伝えていきたい」という思いから、SNSや書籍で情報発信を続けている。


 今回、水島さんのFXのトレード手法が身につく『爆釣FXドリル【実録】知識ゼロから10か月で月収850万円を達成した「S級スキャルピング」』から、最も重視している考え方を教えてもらった。

再現性の高い「勝てるトレード」を繰り返す

「FXは上がるか下がるかの2択だから、単純に考えると勝率は五分五分です。しかし、実際に何も考えずにトレードをすると、資金はあっという間に底をついてしまう。僕自身もFXを始めたばかりのころは1分足や5分足を見て思うがままにトレードをして、勝ったり負けたりを繰り返しながら、トータルではお金が増えず再現性のないトレードを繰り返してばかりでした。

 これを続けても資産は増えず、意味がありません。トータルで資金をプラスにするには、損失よりも利益が大きくなるよう戦略を立て、その戦略でトレードを繰り返し、再現性を高めていく必要があります。『まぐれの勝ち』はまったく意味がありません。


 そして、試行錯誤の結果、再現性を高めるトレードに必須なのは『環境認識』でした」

 水島さんが勝つトレードのために最も重要だと考えるに至った「環境認識」とは何か?

「環境認識とは、選んだ通貨ペアが上下横ばい、どこへ向かおうとしているのかを知り、現在のレートがどの水準にあたるのかを判断することです。上位足(時間軸の長いチャート)から下位足(時間軸の短いチャート)を見て、各時間足の方向感を見極めて作戦を練るのです」

 相場では上位足と下位足が同じ流れになっていることもあれば、上位足では上目線だが、下位足では下目線で方向感が合わないことだってある。

「一言で上昇トレンドと言っても、長期的には上昇トレンドだが、短期的には下落していることはよくありますよね。それは上昇トレンドの転換期かもしれないし、レンジ相場になっているだけかもしれませんが、いずれにしても各時間足の相場環境を知ることで、どこでエントリーをして、どこで損切りをするのか、もしくはエントリーをしないほうがいい状況なのかが見えてくるわけです。

 環境認識を行うことでギャンブルトレードを少なくできるし、勝負のシナリオを立てやすくなるので、再現性の高いトレードが可能になるのです」

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 相場のトレンドや方向感をつかむにはどうしたらいいのか?

「基本的な考え方として、
①高値と安値をどちらも同じ方向へ更新する状態がトレンドである
②一度発生したトレンドは明確な転換のシグナルが発生するまで継続する

ということを覚えてほしい。

 まず①について。
直近の高値が前回の高値より高く、直近の安値も前回の安値より高ければ上昇トレンドと考えます。反対に下降トレンドは、直近の安値が前回の安値より安く、直近の高値が前回の高値より安い状態のことです。

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 そして②は、トレンド終了には必ずチャート上にサインが現れることを示しています」

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水島さんが使うのは「水平線」のみ

 FXのトレードをするための分析、いわゆるテクニカル分析にはさまざまな種類がある。「ボリンジャーバンド」や「一目均衡表」のようなインジケーターを使用する人もいるし、「ダブルトップ」や「ダブルボトム」のようなチャートパターンを主軸にしている人もいる。しかし、水島さんの分析は非常にシンプルかつ分かりやすく、「水平線」しかほぼ使わないという。

「僕がここまでFXで実績を残すことができたのは、水平線の使い方を徹底的に研究したことが大きいと思っています。
水平線は、人によって引き方のバリエーションが少ないのが特徴です。ですから、多くのトレーダーと同じような水平線を自分も引ければ、相場の反転や加速などのポイントにかなりの精度で当たりをつけることができます。

 水平線のポイントは3つあります。

①重要な高値・安値、一定期間の最高値・最安値
②価格の動きを跳ね返す役割を果たす支持線(サポートライン)と抵抗線(レジスタンスライン)
③一度ブレイクすると、サポートとレジスタンスの役割が入れ替わることがある


ということです」

 価格の下落を跳ね返す役割を果たしている水平線を「サポートライン」(支持線)と呼ぶ。そのサポートラインを下にブレイクすると、今度は上昇を跳ね返す役割に転じることがある。これが「サポレジ転換」だ。


 サポートラインを下にブレイクしたら売り。下抜けしてから一時的に上昇しても、そのラインがレジスタンスとなって再び下がったら売り(戻り売り)、というのが基本的な戦略だ。

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 逆に、価格の上昇を跳ね返す役割を果たしている水平線を「レジスタンスライン」(抵抗線)と呼ぶ。そのレジスタンスラインを上にブレイクすると、今度は下降を跳ね返す役割に転じることがある。これが「レジサポ転換」だ。

 レジスタンスラインを上にブレイクしたら買い。
上抜けてから一時的に下がっても、そのラインがサポートラインとなって再び上がったらさらに買い(押し目買い)の基準になる。

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「実際のチャートでもこのパターンは非常に多く、サポートラインを下にブレイクしたら今度はレジスタンスラインに変わることもあって、この時は戻り売りのチャンスです。

 反対にレジスタンスラインを上にブレイクしたら今度はサポートラインに変わることも多く、この時は押し目買いのチャンスとなります」

平凡なサラリーマンが「10か月で月収850万円」に。水島翔式FXトレード術とは
 水平線を引くのには慣れがいるが、水平線を引いて、値動きとの答え合わせをするほど精度はアップしていく。水島さんのトレード手法は、上位足チャートから下位足チャートに水平線を引きながら、各時間足のトレンド見極めていくというもの。ぜひ実際の為替相場という荒波で水島式水平線を書き込んで、トレンドをつかむ練習をしてみてほしい。

平凡なサラリーマンが「10か月で月収850万円」に。水島翔式FXトレード術とは
文・構成/日刊SPA!取材班

【水島翔】
事業投資家。株式会社好きなことで生きていく代表取締役。スキャルピングとデイトレードを得意とするFXトレーダーでもある。1984年、富山県生まれ。高校を中退し、地元建設会社、漁師、大手運送会社に勤務。会社員生活を送るが、FXに出合い、10か月後に月収850万円を突破。現在は好きなことで生きていくためにライフスタイルを発信。地域創生のために飲食事業や不動産事業なども展開する。YouTubeチャンネル「FX/ryoushi-trader」の登録者数は14万人超。SNSのフォロワー数は延べ20万人を超える。
自身のライフスタイルやお金を稼ぐためのマインドを綴った『株式会社好きなことで生きていく』(扶桑社)のほか、デイトレ・スキャルピングのノウハウを一冊に凝縮した『漁師トレーダー翔の「一本釣りFX」 世界一やさしいデイトレ・スキャルピング入門』(ぱる出版)、解くだけでFXで稼ぐ力が身につく最新刊『爆釣FXドリル 【実録】知識ゼロから10か月で月収850万円を達成した「S級スキャルピング」』(KADOKAWA)が発売中
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