——写真集発売おめでとうございます。撮影はインドネシアのバリということでしたが、ロケはいかがでしたか?
荒井優希(以下、荒井):ありがとうございます! SKE48の活動中は忙しくて海外旅行に行く時間がなくて、『FRUSTRATION』のミュージックビデオの撮影でアメリカに行って以来でした。写真集で海外に行く機会をいただけて、世界って面白いんだなと気づくことができました。撮影をきっかけに、いろんなところに行きたいって思うようになりました。
——海外ですから飛行機に乗るのも久しぶりだったと思います。移動中はどんな過ごし方をしていましたか?
荒井:飛行機で過ごす時間が長いじゃないですか。だから時差ボケで撮影中に眠くならないように、寝ないでいようと思ってたんですけどめっちゃ寝ちゃいました(笑)。でも、時差ボケもなく普通に過ごせたので、私って強いんだなって実感しました。
——さすがプロレスラー。現地ではいろんな衣装で撮影されたと思います。
荒井:印象に残っているのは、ジャンプしたらスタッフさん達がすごく褒めてくれたんです。写真集の中にジャンプしてるカットが2箇所あるんですよ。結構高く跳んでるんですよ。私のとびきりのジャンプ、見どころですよ!
——(写真を見て)『意外にマンゴー』のオマージュみたいですね。
荒井:確かに(笑)
——衣装も攻めた水着がありますが、抵抗はなかったですか?
荒井:バリってすごく暑いんですよ。だから、なんとも思ってなかったんですけど、今思うと結構攻めてますよね(笑)。私、暑さには強い方で、夏フェスでもピンピンしてるぐらい平気なんですけど、単純に暑かったですね。あと、ピンクのチュールだけは絶対に着たいと打ち合わせのときから話してました。日頃からチュールの服がすごく好きで、色もピンクが大好きなので、すごく着たかったんです。改めて完成した写真集を見ると、好みじゃなくてあまり着てこなかったオレンジや黄色も意外に似合ってて、こういう色の服も着れるんだっていう気づきもありました。自分では選ばない服を着られるのも写真集ならではだと思います。

荒井:お気に入りはこの写真です。
——脊柱起立筋(笑)
荒井:レスラーの先輩方に「荒井さんの脊柱起立筋がめちゃくちゃいい」ってめちゃくちゃ言われるんですよ。整骨院の先生にも「あなたはこの筋肉一本でプロレスやってますね!」と言われて。他の部位はそこそこなんですけど、この背中の筋肉だけは発達しているみたいで。もともとバレエをやってたので、たぶんそのおかげなのかな?自分では実感がなかったんですけど、写真で見るとやっぱり起伏があって付いてるんだなーって。盛れてて嬉しいですね。
——アイドルやプロレスラーとしてステージでいろいろな表現で魅せてきた荒井さんですが、写真集ではどんな魅せ方を心がけましたか?
荒井:えー、なんだろう? プロデュースされた私が見られるってことですね。今まではこだわりが強かったんですよ。プロレスをやったことで一つ緩んだところはあったんですけど、顔の角度や顔の表情とか、自分の中で見せたくない自分というのが多すぎて。でも、プロレスを始めてから四方八方いろんな角度から見られるじゃないですか。だいぶ見せていい顔が増えました。だから今回もせっかくプロのカメラマンさんに撮っていただくし、スタイリストさんが選んでくれた衣装だから、もう全部お任せしようと思って、ロケに飛び立つと同時に自分の意思を日本に捨ててきました。

荒井:「写真集をやりませんか?」と言われたときに、本当に迷ったんです。私の写真集って誰が嬉しいんだろうって思ったりもしました。でも、いつもと違う私を見せられるのであればいいかなって。もうその時点で任せようと決めてました。
——タイトルはご自身で決められたと伺いました。どんな意味を込めたのでしょうか?
荒井:こういうのって絶対自分で決められないタイプなんですよね。いつか恥かしくなると思う。よくあるじゃないですか、小学校の作文を大人になって読んでめっちゃ恥ずかしいってなるような経験。そういうことが自分の中で結構あって、決められなかったからAIに相談したんです。「客観的に私を見てどうですか?」って。
——生成AIの活用とは今どきですね。
荒井:私を客観的に見てくれる人が周りにいないなと思って。出てきた言葉に「無敵」とかがあって、プロレス要素があるし、プロレスラーのイメージにピッタリだなと思って。自分の中でもしっくりきて、これなら一生背負っていけるなと思ってこれにしました(笑)。
——ドンピシャでこのタイトルが出てきたんですか?
荒井:いえ、最初は「無敵の笑顔」という候補が上がったんです。でも、マネージャーさんと相談して、笑顔だけじゃなくて、いろんな表情も見れるから『素顔』の方がいいということになって、このタイトルに決まりました。
——なるほど。現地では撮影以外に楽しめたことはありましたか?
荒井:初めてナシゴレンを食べました。私、食わず嫌いで食べ物で冒険したことがなくて、一度食べたものじゃないと食べたくないんです。だけど、スタッフさんたちが「せっかくだから食べてみなよ!」って言ってくれて、食べてみたらめっちゃ美味しくて、初めて食べたものに出会えて嬉しかったです。あと、大きなスーパーマーケットに連れてってもらって、壁一面に商品が山積みになってる店内の雰囲気が新鮮でとても楽しかったです。
——観光もできて何よりですね。お土産は買いましたか?
荒井:それが、実はもうキャリーケースの中がパンパンで、あんまり買えなかったんです。

荒井:プロレスラー・荒井優希の今が見れる写真集になっています。アイドルを卒業してプロレス一本で活動していく訳ですが、これから鍛えたりしてめちゃくちゃムキムキになるかもしれないじゃないですか。体型も変わってさらに大きくなるかもしれないじゃないですか。今の自然体の私を見られる貴重な写真がいっぱい載ってますので、「こんな頃もあったんだ!」って驚いてもらえたら嬉しいです。
<取材・文・撮影/安藤龍之介>
荒井優希●1998年生まれ。京都府出身。’13年に「第1回AKB48グループ ドラフト会議」にて、SKE48 Team KⅡに指名されアイドルデビュー。AKB48グループのメンバーたちが多数出演した『豆腐プロレス』がきっかけでプロレスに出会う。
「脊柱起立筋って本当はどこにあるかよく分かんないですよね(笑)」