その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信させていただいております。
聞き上手は会話上手
私が大阪・北新地のクラブで働いていた頃、従業員用のお手洗いに「人に好かれる聞き方5原則」という張り紙が貼られていました。そこには、
・聞く/話すは、8:2の割合で
・人の話題を奪い取らない
・相手の話を否定しない
・相手の言うことは無条件に肯定する
・反論に対して反論しない
ということが書かれていました。第一印象の段階で失敗してしまっている人というのは、だいたいが「話し過ぎ」なんですよね。人に好かれたい、モテたい男女は、まずは聞き上手を目指してみてはいかがでしょうか。
ましてや、人の話題を「私も」「でも私は」「うちの犬は」と奪い取って、求められてもいないのに自分の話をし始めるなんて最悪です。そして、関係が構築されていない段階で相手の話を否定するのはかなりの悪手。反論に対して反論するのも頭の悪い人のやることです。議論の上での勝ち負けより、まずは人に好かれること、モテることを優先しましょう。
残念なことにプロとしてギャラをもらっているはずのホステスの中にも、「人に好かれる聞き方」ができていないバカ女が案外います。どっちが接待されてんの?と言いたくなることも、正直なところしょっちゅうです。
また、「人の話を黙って聞く」ところまではできても、話し方で損をしている男女も多々目にしています。
「人に好かれる聞き方」については、上記の5原則を徹底してもらうとして、今回は「嫌われる人がやりがちな話し方」について解説したいと思います。
その①ネガティブな自己開示
関係が構築されていない段階でのネガティブな自己開示は最悪です。例えば、複雑な家庭環境や持病、メンタルの弱さなどをオープンにしたがる人は案外どこにでもいますよね。聞かされている側の気持ちとしては「やれやれ」というのが正直なところです。
ネガティブな自己開示は、相手に共感やケアを求める「暗黙のプレッシャー」になってしまいかねないものです。
ましてや初対面であり、まだ信頼関係が築かれていない段階でこれをやられると、相手はリアクションに困りますし、人によっては「特別な配慮をしろってことか」と負担を感じてしまうかもしれません。
ネガティブな自己開示が距離や拒絶感を育んでしまうことはよくあります。
また、聞かれたからってなんでも答えていいというわけではありません。相手に与える印象を意識して話すよう心がけてみてください。
補足ですが、ネガティブな自己開示でなかったとしても、例えば「好きな男性のタイプは?」と聞かれて、素直に「横浜流星」とか言っちゃうと、おじさんはへそを曲げます。
また、おじさんは聞かれたいことを聞いていることが多いので、「好きな男性のタイプは?」に対しては、適当に「高田純次。面白いから」と答えておけばいいし、必ず「おじさんはどんな女の子が好き?」と聞くようにすればいいわけです。
その②相手の話をさえぎる

会話は相互のやり取りで成立します。話をさえぎることで相手の発言が途切れ、話の流れや内容が損なわれると、その場にいる人は不快感を抱いたり、話す意欲を失います。
また、話をさえぎる行為は、相手の意見や相手そのものを尊重していないと感じさせます。話をさえぎられた人は「私は軽視されている」と受け取り、ネガティブな印象を抱きます。
人の話をさえぎるのはよしましょう。
その③愚痴を言っている人に対する不要なアドバイス
例えば、愚痴をこぼしている相手に対し「でもそれはあなたに問題があるよね」「私だったらああでこうでこうしてこうするけど」と、求められてもいないのにアドバイスしてしまうのは賢くありません。
まず、愚痴を聞く場面では相手に主導権があると言えます。話を聞いているうちに、相手が抱えている問題を「解決してあげたい」という感情が先行しそうになりますが、そこはグッと我慢し、聞き役に徹しましょう。
そもそも愚痴は感情の吐露であり、相手が解決を求めていない場合も往々にしてあります。そのような場面でアドバイスを披露してしまうと、相手の目には“上から目線な人”というふうに映り、結果的に損をすることになります。
愚痴を聞く場面で求められているのは同調と傾聴です。アドバイスは求められてはじめてするものであると覚えておきましょう。
その④容姿への言及

しかし正直なところ、あなたの好意にはなんの価値もありません。よって「タイプです」など、容姿に対する評価は、相手に不快感を与えることにしかなりません。
ポジティブなものであったとしても容姿への言及は避けましょう。ましてや、ネガティブな評価なんて絶対にしてはいけません。
「極楽とんぼの山本に似てるよね」など、太っている人を雑にいじる方がいますが、聞いているこちらとしてはヒヤッとします。人をいじる際は、それを笑いを生む方向へ着地させるだけの技量が必要です。言うまでもなく、まだ関係が構築されていない相手をいじるのはかなりの危険行為です。
話すことが無くて困ってしまったときは、スーツやネクタイ、靴など、相手が身に着けているものを褒めましょう。容姿ではなく、あくまで「センスの良さ」を褒めることにとどめておくと無難です。
その場合でも相手を「異性として意識し過ぎたコメント」は悪印象です。よしましょう。
その⑤質問に対し必要以上に答えをしぶる
ホステスの中にも「休みの日は何をしているの?」など、簡単な質問に対し「え~……」と、必要以上に答えをしぶるバカ女が案外います。この場合のおじさんは無口な相手に対して優しく適当に会話をリードしてくれているだけなので「え~……」じゃなくて、さっさとおもしろいことを言いなさい。
いえ、おもしろいことを言わなくてもいいので、質問には0.2秒以内に答えることを優先してください。相手は待てば待つほど「何か特別おもしろいことを言ってくれるに違いない」と期待します。しかし、実際の回答が「映画を見に行きます」など、期待にはおよそ届かない、つまらないものであった場合、相手はガッカリしてしまうことになります。
また、繰り返しになりますが聞かれたからといってなんでも答えていいわけではありません。ここで独特な趣味を披露してしまうのも賢くありません。
相手にどんな印象を抱かせるか、ということに注力しましょう。
コミュニケーション能力の低い人は言わなくていいことを言い過ぎている

積極的に会話をリードすることだけがコミュニケーション能力であると勘違いしている人は案外多いです。でもそれは間違っています。会話では相手に気持ちよくしゃべらせた方が圧倒的に得で、なおかつ簡単です。
話すにせよ、聞くにせよ、「相手にどのような印象を抱かせたいか」ということに神経を使ってみてください。
身についていないおじさんおばさんがほとんどだと思うので、こちらの記事はブックマークして1億回読んでください。
<文/みずえちゃん>
【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989