今年6月にAKB48を卒業した村山彩希が、単独初主演を務める革命ミュージカル「新・幕末純情伝」の稽古場会見を7月30日に開催した。同作は劇作家・つかこうへいさんの名作で、「新撰組の沖田総司が実は女だったら」という着想のもと、1989年に幕を上げて以来、何度も舞台化されてきた。
今作への意気込みについて村山は、「人生の半分、所属していたAKB48を卒業してから初めての舞台ということで、プレッシャーには感じているんですが、自分らしい沖田総司を演じていけたらいいなと思っています」と語った。
村山彩希
公開舞台稽古では、ミュージカル要素を取り入れた歌唱シーンや、幕末らしい激しい殺陣のシーンなどが披露された。沖田総司に恋する坂本龍馬を演じる百名ヒロキは、「稽古では床がいつもびしょびしょになるぐらいの汗の量で、総司(村山)がその汗でコケそうになることもあった。情熱はそのままに今までよりも見やすい内容になっていると思います」と手応え十分。ただ、今作で7年ぶりに同じ役・勝海舟を演じる細貝圭は、「久しぶりにつかさんの作品に触れて、本当に体に悪いお芝居だなと(笑)。それと同時に、自分の体の劣化を感じている日々でございます。こうして新しいメンバーで、ありとあらゆる液体をカラダから放出して作り上げている一体感がいいですね」と語った。
今回は、歴代のなかでもっとも難易度の高い殺陣のシーンが満載。殺陣は初挑戦だったという村山は、「周りの皆さんは殺陣の経験がある方ばかりだったので、私はゼロから教わるつもりで稽古に行ったんですが、スタートラインが違うことに気づいた瞬間に心が折れて帰りたくなりました」と苦労を振り返る。その後、自主練のために木刀を自宅に持ち帰ったというが、「部屋で振り回していたら、寝室のドアに1回、ブスッ!と刺してしまった瞬間に『ここ賃貸やん……』と思って、そこからはスタジオを借りました(笑)。みなさんにも居残り練習に付き合っていただいたりしたので、そのおかげで成長できました」と笑顔。土方歳三役の柳下大は、「稽古場では誰よりも男前でかっこいい。
僕らのことを背中で引っ張ってくれる素晴らしい座長です」とその姿を絶賛した。
村山彩希
会見の最後に村山は、「私はずっと生のステージを大事に生きてきたので、AKB48劇場ではなくなって他の舞台になるんですが、新しい出会いがあってこんなにも刺激を受けることは他にはないと思いますし、この熱量をステージでお客さんに伝えられたらいいなと思います。一度とは言わず、17回の全公演を見に来てください!」とアピールした。
村山彩希
舞台は、東京・新宿の紀伊國屋ホールで8月8日(金)~8月24日(日)まで上演される。AKB48時代には劇場出演1358回の最多出演を誇り、“劇場の女神”と称された彼女。卒業後の大舞台でどう輝くのか楽しみにしたい。
村山彩希
村山彩希
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取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧