こんにちは、シューフィッターの佐藤靖青(旧・こまつ)です。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。

これから長い猛暑とサンダルのシーズンです。サンダルなのに、足の臭いが気になる方、いませんか?ブーツのように密閉されず、通気性が抜群なはずなのに、毎年「サンダルが臭う」という相談が後を絶ちません。実は体質だけではなく、「サンダルの側」にも臭う法則があります。こういうサンダルには気を付けましょう。

臭くなるパターン①中敷きが合成皮革


「通気性はいいはずなのに、サンダルが臭う…」に共通している3...の画像はこちら >>
足の汗は、70~80%が「足の裏」から出ます。手で考えるとイメージしやすいですが、手のひらの方が圧倒的に汗をかきますよね。足も同じことです。サンダルを裸足で履く場合、たとえ足が密閉されていなくても、自動的に足の裏からは大量の汗がドバっと出ます。汗の行き先が合成皮革の場合、汗を吸ってしまいます。合成皮革はひらたく言うと、多くの場合「布を加工したもの」に近いので、思いのほか汗を吸って閉じ込めます。

そのまま乾燥するなら良いのですが、世の中のサンダルの99.9%は足当たりを良くするため、スポンジが埋め込まれていますが、実はこれが厄介。合皮や布を貫通した汗が、密閉されたスポンジの中に溜まってしまい、ここで悪臭を放つバクテリアが一気に繁殖します。放置していても臭いが取れないサンダルの場合、ほぼこれが原因です。
写真のサンダルのように、中敷きが取れずに完全に本体と接着されている場合は絶望的。仮に水と洗剤とタワシで強引に洗ったとしても、今度は汚れた水がスポンジの中に閉じ込められるので、キリがありません。

臭くなるパターン②取り外せない布・メッシュ


「通気性はいいはずなのに、サンダルが臭う…」に共通している3つのパターン。その原因、実は足だけではなかった
著者私物
合皮よりさらに質が悪いのが、スポーツサンダルに多い「キャンバス状のメッシュ」。肌ざわりは非常に良くて、はじめのうちだけは快適なのですが、すぐに悪臭を放ちます。汗を閉じ込めるだけではなく、メッシュが粗いので足の角質(要は垢です)がこびりついてしまうんです。こうなるとどれだけ足を洗ってもムダです。「布+スポンジで、本体に中敷きが接着されている」サンダルは、実は1万円を超えるスポーツメーカーのものでも散見されます。ほとんどが海外メーカーなのですが、日本人ほどサンダルの悪臭についてはさほど気にしないので、メーカーに悪意はありません。外国人にとっては「足とサンダルは臭くて当たり前」。どっちがいい・悪いではなく、シンプルに意識や生活スタイルの差なのです。

「通気性はいいはずなのに、サンダルが臭う…」に共通している3つのパターン。その原因、実は足だけではなかった
筆者私物。ミズノ「ウェーブプロフェシーストラップ」
個人的にはミズノ「ウェーブプロフェシーストラップ」のようなインソールが取り外せるものを推奨します。昨今ブームの「スニーカーサンダル」ならほとんどのものがインソールが取り外せるので、インソールだけを洗濯機で洗ってしまえば終了。無印良品のような4000円台のスニーカーサンダルでも、インソールはしっかり取り外せます。


「通気性はいいはずなのに、サンダルが臭う…」に共通している3つのパターン。その原因、実は足だけではなかった
コロンビア「ピークフリーク ラッシュ シャンダル」。画像は公式HPより
もしくはコロンビアの「ピークフリーク ラッシュ シャンダル」のように、水陸両用のサンダルも臭い対策には有効。私も愛用していますが、汗が気になったら本体ごと簡単に洗えるからです。洗っても速攻で乾く仕組みなので、適当に干しておけば半日で乾いて、悪臭も残りません。

臭くなるパターン③履きっぱなしで乾かしている

最後は構造というより履き方の問題なのですが、すべてのサンダルに共通します。

筆者は数年前までビルケンシュトックのサンダルを愛用していました。コルク底に天然皮革のフットベッドで、構造的には臭いにくいはずのモデルです。ところが家族から「足が臭い」と言われ、サンダルを嗅いでみると意外にもかなり臭っていました。

「通気性はいいはずなのに、サンダルが臭う…」に共通している3つのパターン。その原因、実は足だけではなかった
当時愛用していたビルケンシュトック「アリゾナ」。画像は公式HPより
原因は単純で、毎日のように同じ一足を履いていたこと。天然皮革は合成皮革より吸放湿性に優れていますが、それでも一日分の汗を完全に乾かすことはできません。湿ったまま翌日も履けば、汗や角質が蓄積し、細菌にとって絶好の繁殖環境になってしまいます。

ビルケンシュトックやアイランドスリッパのような天然皮革のサンダルでも、毎日履けば臭います。できれば2足をローテーションし、履いた後は風通しの良い場所でしっかり乾燥させる。
それだけでも臭いはかなり抑えられます。

サンダルは「涼しい=臭わない」と思われがちですが、実際には汗の出口である足裏が直接触れるため、構造次第ではスニーカーや革靴なみに臭うこともあります。

デザインや履き心地だけではなく、「インソールが外せるか」「丸洗いできるか」「乾きやすいか」まで確認して選ぶだけで、夏の快適さは大きく変わります。今年サンダルを新調する予定がある方は、ぜひこの3点もチェックしてみてください。

<文/佐藤靖青>

【シューフィッター佐藤靖青】
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』
編集部おすすめ