高市早苗首相は7月17日、皇族数確保策を盛り込んだ改正皇室典範の成立を受け、「幅広い賛同をいただき感謝申し上げる」と語った。だが、成立までの国会運営に手厳しい視線を向けるのが、皇室史研究家の倉山満氏だ。
「愛子天皇の可能性など最初からゼロ」
なんとか改正皇室典範が成立した。最後の局面で政府の法案立案能力に慄然としたが、まさか潰す訳にはいかない。“戦争目的”は達した。今ごろになって愚かなマスコミとSNSでは「なぜ愛子さまが天皇になれないのか」「男尊女卑の皇室典範」「万世一系の男系男子なんて噓だ。近代に作られた偽の伝統だ」などと、曲学阿世(きょくがくあせい)の御用言論人を総動員してプロパガンダを広めているが、何を言っているか意味不明である。そもそも、そんなのは陽動作戦。今回の戦いで「愛子天皇」を実現できると信じていたら、相当におめでたい。そもそも、愛子天皇の可能性など最初からゼロなのだから、本気にして踊った連中は滑稽なピエロだ。
しかし、敵の中にも利巧はいる。私は敵の黒幕の“戦争目的”は、「単なる一般人の男を皇族にすること」だと看過していた。それが実現した時点で国体の毀損なのだから、日本の歴史に一度も無い女系天皇は実現したも同じだ。
後はゆっくり嬲(なぶ)り者だ。愛子殿下をパンピーの男と結婚させ、そいつを皇族にする。子供も皇族。別に愛子天皇が実現しなくても、二人の子供が即位すれば、女系天皇になる。愛子殿下を利用して皇室を亡ぼそうとする陰謀だ。
これに対し、「皇室の話なのだから、アンケートや人気投票ではなく、先例に基づいて議論しよう」「パンピーの男を皇族にさせてはならない」と説いて回った人がいる。政界の多数は、常識論で落ち着いた。かくして陰謀は粉砕された。ざまあみろ!
最後は中道の賛成で立法府の総意が保たれた
最後は、中道が賛成に回ってくれた。これで立法府の総意が保たれた。立法府の総意とは、全会一致ではないが、主要政党の一致である。だから衆議院第二党の中道の役割は大きい。ただ、なぜ中道が賛成に回ってくれたのか、誰にも理解できない。ギリギリの局面で中道は妥協案を提示した。それに官邸がゼロ回答を寄こした。さすがに賛成の理由が無く、この党の尊皇派も一時は反対に回る覚悟をしたが、執行部が強引に賛成へ持っていった。小川淳也代表は苦しそうな表情だったし、階猛(しな・たけし)幹事長など泣き出さんばかりだった。
一方、極楽トンボだったのが、首相官邸の面々だ。中道は、与党の時に作った案に反対したくない公明党を抱えている以上、反対したくない。参議院第一党の立憲民主党も、国家の基本問題で意見が割れたら、中道・公明党の合流に暗雲が立ち込める。実は、高市首相が頭を下げれば、参議院でも立憲が賛成に回ってくれる芽が充分にあったのだ。ところが動かなかったどころか、挑発を繰り返した。
極めつきが、衆議院での小林鷹之自民党政調会長の質疑だ。
皇室の事もわかってないし、何よりも国会対策ができていない。
稚拙な高市首相の国会運営
高市内閣の支持率が下がっている。これを「国民の理解を得られない皇室典範改正を強行したから支持率が下がった」と評する向きもあるが、噓だろう。その手の世論調査、露骨な誘導尋問だらけなのだから。一時の熱狂で高市批判すら許されない状況から、冷め始めている。実際、高市首相の国会運営、稚拙なのだ。
振り返ってみれば、失態続きだ。突如として解散。1月に解散すれば、予算が年度内成立しないのは、子供でも分かる。選挙に勝ったは良いが、その後に3月までに予算をあげろと言い出した。高市応援団は「野党はくだらない質問しかしないから、質問時間を取り上げろ」とまで言ってのけた。そういう態度は、首相の態度として伝わる。結局、中途半端に暫定予算を組む羽目になった。
その後も、党首討論を開かない、予算委員会での集中審議にも出てこない、スキャンダル追及に対しては、陳述書で勘弁してくれと言い出す。これは明確に高市首相個人の議会軽視だ。野党の質問に紙きれを出して済むなら、議会などいらないではないか。
ふわっとした保守層を離反させかねない
それでいてトドメが、比例だけの定数削減。参政党やチームみらいは、比例代表でしか議席を得ていない。ここに至って、右の保守党・参政党から左のれいわ・共産党まで十一の野党全部が結束して審議拒否した。当たり前だ。話し合いに出たら、最後は多数決で定数削減をされるのだから。選挙制度は議員や政党の政治生命にかかわるので、慎重な議論が求められる。だから平成の政治改革は難渋した。それを一回の国会で可決しようとは強引すぎる。それでいて「皇室典範の審議もあるから」では高市内閣が皇室を人質にしているようなものではないか。
何より、高市首相は減税を掲げて勝った。しかし、議論が遅々としている。
高市首相の失策が続いている。
もっとも、野党に眼を移せば、今すぐ代われる政党は無い。当面、高市首相で頑張るしかないのだから、減税くらいはちゃんとやってもらいたいものだ。
政権担当能力を発揮せよ。
―[言論ストロングスタイル]―
【倉山 満】
皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年10月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61-wQA+eveL._SL500_.jpg)
![Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2024年 10月号[日本のBESTデザインホテル100]](https://m.media-amazon.com/images/I/31FtYkIUPEL._SL500_.jpg)
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年9月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51W6QgeZ2hL._SL500_.jpg)




![シービージャパン(CB JAPAN) ステンレスマグ [真空断熱 2層構造 460ml] + インナーカップ [食洗機対応 380ml] セット モカ ゴーマグカップセットM コンビニ コーヒーカップ CAFE GOMUG](https://m.media-amazon.com/images/I/31sVcj+-HCL._SL500_.jpg)



