―[ゼロ恋愛 ~経験値ゼロから学ぶ恋愛講座~/堺屋大地]―

 こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
 筆者はLINE公式サービスにて計1万件以上のチャット恋愛相談を受けてきました。
また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがい、知見を深めているのです。

 2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。

「ごめんね、彼(後輩)と付き合いたい」社内恋愛中だった33歳...の画像はこちら >>

お高いシティホテルで「浮気お泊り」

※この記事は本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。

 今回は結婚前提で交際していた彼女をクズ男に寝取られたという、橘康生さん(仮名・33歳・男性)からのご相談。

「社内恋愛で結婚の約束もしていた彼女(30歳)が、僕と同じ営業部の後輩(31歳)と浮気していたんです。彼女のLINEから発覚したんですけど、月に2~3回のペースで密会してたみたいで。

 その後輩は副業でやってる不動産投資とかFXとかで儲けてるらしく、給料は僕とだいたい同じぐらいのはずなんですけど、かなり羽振りはよかったようで、お高いシティホテルに2人で泊まっていたみたいです。

 それで彼女を問い詰めたんですけど、『ごめんなさい、別れてほしい。彼(後輩)と付き合いたい』なんて言い出して」(橘さん)

 彼女は浮気(浮ついた気持ち)ではなく本気になってしまったようです。

「百万歩譲って、その後輩も彼女に真剣ならここまで怒りは爆発してないんですけど、そいつはもともと女癖の悪さで有名でして。経験人数は余裕で三桁いってるらしいし、社内の女性社員を何人も遊びで食い散らかしてやり捨ててるって噂は、彼女だって知ってたはずなんですけどね……。


 どうして彼女はそんなクズ男にハマッてしまったんでしょうか?」(橘さん)

クズ要素がマイナス100ポイントでも…

 どうしてクズだとわかっている男にのめり込む女性が存在するのか?

 筆者は橘さんに、その理由を次のように説明していきました。

 結論から言うと、クズ要素(マイナスポイント)を圧倒的に上回るモテ要素(プラスポイント)があるからでしょう。

 きちんと現実を受け止めるように忌憚なく言わせていただきますが、差し引きの総合点で橘さんは後輩に負けていた可能性が高いのです。

 仮に橘さんに悪いところは特になくマイナスポイントは0で、良いところのプラスポイントが80あったとすると、総合点は「+80」です。

 一方、後輩は悪いところのマイナスポイントは100ぐらいあったのかもしれません。

 ……が、後輩はコミュ力が高く社交的で、副業で成功していて収入も高く、高身長でビジュもよく、それゆえに言動が常に自信に満ち溢れていたということでした。

 そうなると、女性から見た魅力的なプラスポイントが200ぐらいあってもおかしくなく、差し引きの総合点は「+100」になります。

 橘さんを上回ってしまうわけです。

“理性が働かなくなる人”は一定数いる

 ここまで説明すると、橘さんは「女性たちの理性がちゃんと働いていれば、マイナスポイントが100もあるクズと付き合ったって幸せになれないって、普通はわかるでしょ?」と疑問を口にしました。

 橘さんの意見はおっしゃるとおりなのですが、恋愛感情が膨れ上がると“理性が働かなくなる人”というのは、一定数、存在するもの。恋に落ちると普通の精神状態ではなくなってしまう人は少なくないのです。

 後輩のような女性にだらしないタイプに対して、周囲はそういったマイナスポイントばかりに注目しがち。けれど感情論は抜きにしてプラスポイントも客観視すると、クズ要素を圧倒的に上回るモテ要素が見えてくることは少なくありません。

 とはいえ、いくら魅力があっても後輩の過去を考えれば、まっとうな人間性ではないのは明白。


「好きになっても幸せになれない」と理性が警鐘を鳴らすはずなのですが、恋愛感情によって冷静さを欠き、アラートが作動しなくなってしまう人もいるのです。

「私なら彼を変えられる!」と妄信

 さらに“恋は盲目”状態に陥っている女性の場合、クズ男の過去の女性たちへのライバル意識やマウント感情が発動し、「いままでの女は彼に捨てられてきたけど私だけは違う!」なんて思考に至ることも。

 また、ロマンティックな運命論的感情に支配されていき、「2人の愛は本物だから私なら彼を変えられる!」と根拠の薄い自信を得ることもあるでしょう。

 何千人の恋愛相談を受けてきた筆者の経験則から言うと、9割ほどの確率で橘さんの彼女は後輩に捨てられる悲惨な結末を迎えるでしょう。当たり前ですが、その後輩はやめておいたほうがいい。

 しかし逆の視点で考えると、1割ほどはクズ男が改心して幸せになれる確率があるということでもあります。普通に考えれば1割なんて低確率に賭けるべきではないのですが、100人のクズがいたら10人は改心できるということでもあります。

 この1割という確率がなかなか難儀。

 そのレアな成功体験は、“クズが改心してハッピーエンド”という実話として広まりやすいからです。

 そして、その美談がクズ男に沼っている女性の冷静な判断力を奪っていき、実際は再現性がかなり低いチャレンジのはずなのに、「私もメークドラマができるはず」と思い込んでしまうのです。

恋愛ドラマや恋愛漫画の悪影響も?

「実際はクズ男との恋愛なんてほぼうまくいかないけど、たしかに“可能性はゼロではない”というのも事実ですよね。そこを都合よく拡大解釈して、『私たちなら幸せになれる』って思考回路になっちゃってるってことか……。自分の大好きだった彼女がそんなふうにクズ男に騙されるなんて本当につらいです……」(橘さん)

 余談ですが、恋愛ドラマや恋愛漫画の悪影響もありそうです。


 女性主人公の恋愛エンタメ作品は往々にして、難アリなイケメンがヒロインと出会ったことで性格改善してハッピーエンドになります。

 成功確率の低い恋愛の成功例を描くことでドラマティックになるわけですが、そのフィクションに悪い意味で勇気づけられてしまう女性もいるのかもしれません……。

<文・堺屋大地>

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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は@SakaiyaDaichi
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