ウルトラマンの新シリーズのタイトルが「ウルトラマンオメガ」に決まり、主演に俳優・近藤頌利(しょうり、31)が抜てきされたことが23日、分かった。テレビ東京系で7月5日にスタート(土曜・前9時)する。
宇宙から記憶をなくして落ちて来た宇宙人・オメガ(=オオキダソラト)が地球人の青年と出会い、コミュニケーションを深めて人々と手を携えながら戦っていくバディもの。「ウルトラマンがなぜ地球を守るのか?」の問いに迫る意欲作だ。武居監督は「ウルトラマンがなぜ地球を守るんだっていう物語にしたいなというのが今作の出発点。”エピソードゼロ”をしっかり描きたかった」と語る。
一方、近藤にはある日、「シュワッチ、シュワッチ」という一本の電話があったという。電話の主はマネジャー。これで近藤は「あ、ウルトラマンになれるんだ!」と分かったという。「うれしかったです! この年齢でウルトラマンになるとは思ってなかった」と目を輝かせた。
小中と野球、高校はバレーボールに打ち込み鍛えた体と、力のあるきりりとした瞳が”ウルトラマンらしさ“を醸し出す。今回、オーディションではなく、キャスティングでウルトラマンの座を射止めた近藤は、円谷プロダクションの設立日と同じ4月12日生まれ。
近藤が演じるソラトは、まるで子どものように純真にして陽気な性格。武居監督は「面談をして、もともと持ってる素の近藤頌利という人間が『たぶんこの役にははまってくるだろうな』っていう感覚があった。透明感、無邪気さがある。あと、体のラインがきれい」とメンタル面でもフィジカル面でもオメガにぴったりだったと話す。ソラトは腹ぺこでもぐもぐと食べるシーンが多く、その無垢(むく)さが近藤のキャラクターとよく合っているという。
一人っ子で母子家庭で育った近藤の遊び相手は、母からもらったウルトラマンの人形だった。「そんな近藤少年に伝えたい!『大人になったらウルトラマンになるんだぞ!』と」と、当時の幼い自分へ胸を張って言葉をかける。
撮影期間中の休みの日に、近藤がショッピングモールでそばを食べていると、後ろの席の人がウルトラマンの動画を見てウルトラマンの話をしていたという。「もう本当彼に言いたかったですね。『ここにいるよ!次のウルトラマン俺やるよ』って!」と笑う近藤は心底楽しげだ。
今年で俳優となって10年になる。「近藤頌利という人間の存在を証明したい。『俺はここにいるぞ』って言いたくて、俳優になったのだろう」と吸い込まれるような真剣なまなざし。ここからまた、夢が広がる。「これからきっと、いろいろな役をやる。それでも40代50代になって『ウルトラマンオメガのポーズやってよ!』って子供たちに言われる俳優になりたい。オメガが子供たちの夢や希望になったらうれしい」。近藤頌利は、高く、高く、飛ぶ。(瀬戸 花音)
◆近藤 頌利(こんどう・しょうり)1994年4月12日、大阪府出身。31歳。身長184センチ。大学卒業後に俳優を志し、自身の出身地である大阪を基点に関西で活躍する劇団Patchに入団してデビュー。