俳優の阿部寛(60)が主演映画「俺ではない炎上」(山田篤弘監督、9月26日公開)で、SNSで身に覚えのない事件の犯人に仕立て上げられ逃亡する主人公を演じることが24日、分かった。

 原作は浅倉秋成氏の同名小説。

SNSで根拠のない情報が“真実”となり、冤罪(えんざい)事件へと発展する恐怖を描いたミステリーだ。ある日突然、殺人犯として個人情報をさらされた大手ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介を演じる阿部は出演オファーを受け、「この物語には現代社会の問題が色濃く反映されている」と感じたという。

 SNSは便利なコミュニケーションツールである反面、虚偽の投稿や誹謗(ひぼう)中傷が社会問題になっている。それを踏まえて「非常にチャレンジングでやりがいのある作品になると感じました。逃げながら人間性を取り戻していく男の姿は、シリアスであればあるほど滑稽でもあり、演じる上で細やかな感情の起伏が求められた。人間としての弱さ、強さ、そのどちらも丁寧に表現したいと思いました」と撮影を振り返った。

 現代社会を生きる誰もが「明日は我が身」と共感する作品になりそうだ。

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