体重無差別で争われる柔道の全日本選手権(日本武道館)を翌日に控えた28日、都内で記者会見が行われた。男子66キロ級で五輪2連覇の阿部一二三(パーク24)、2019年大会の覇者で男子100キロ級2021年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(パーク24)、前回優勝の中野寛太(旭化成)が出席した。
阿部にとっては初めての出場となる。全日本は脚など帯から下を攻める「脚取り」が認められるが「本当に一戦一戦しっかり自分の柔道をして。今回脚持ちや(旗)判定というルールがあるんですが、正面からというか、自分のしっかり投げにいく技で勝負しに行きたいと思っています。会場をしっかり盛り上げて、1つでもしっかり勝てるように頑張りたいです」と真っ向勝負の考えを示した。
全日本選手権は個人戦で前年の五輪メダリスト、世界選手権優勝者に推薦枠が与えられる。阿部はこれまで何度かチャンスはあったが、負傷のリスクを考慮して回避してきた。2028年のロサンゼルス五輪まで3年以上あり、念願の舞台に挑戦することになった。「本当に全日本選手権は僕の中でも特別なもの。優勝とかそういうことは簡単には口にはできないですが、この舞台に立つことで、自分自身の柔道のレベルも、もっと上げられると思っています。軽量級だからこそ会場をわかせられる、(1990年に71キロ級ながら準優勝した)古賀(稔彦)先生みたいな軽量級でも重量級と戦えるんだぞという、子どもに夢を与えられるような柔道ができるのが全日本選手権だと思います。そういうことを意識しながら頑張りたいです」と意義を語った。
阿部は1回戦で、東北地区代表で2階級上の81キロ級を主戦場とする佐藤佑治郎(山形県警)と対戦する。