バレーボールの大同生命SVリーグは28日、チャンピオンシップ男子準決勝、サントリーと名古屋の第3戦において、ルール適用に誤りが発生したと報告した。
「今回の事象が発生したことにより、当該クラブの皆様、ファンの皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
リーグによる発生事案の説明以下の通り。
サントリーの2―1の第4セットの25―25の場面で名古屋のティネ・ウルナウトのスパイクがアウトと判定され、サントリーに26点目が与えられたが、名古屋よりブロックタッチに関するチャレンジの要求があった。映像確認の末、サントリーの高橋藍のブロックタッチが確認され、サントリーの26点目は取り消され、名古屋に与えられて試合は再開されようとした。
しかし会場内のビジョンに判定映像を投影した際に映像内のブロックタッチをした箇所に丸印でマークがされていなかったため、名古屋の選手がノータッチの判定をされたと誤解し、ファーストレフェリーに対して抗議を行った。その際に名古屋の水町泰杜がファーストレフェリーに対して詰め寄る行為があった。この行為に対して、水町にレッドカードが提示された。
これによりペナルティーとしてサントリーに1点とサービスが与えられる罰則が適用され、サントリーに26点目を与えるべきだったが、レフェリーからスコアラーズテーブル(スコアラー)に対して共有されなかったため、水町に提示したレッドカードが見逃されてしまった。
また、水町にレッドカードを提示した際に、大勝選手およびチームに対しての対話、説明が不足していたことで、名古屋の選手のさらなる抗議を誘発することになった。その後、水町へのレッドカードに対する抗議も含め、名古屋のニミル・アブデルアジズも「無作為な行為」があったため、ファーストレフェリーがニミルにレッドカードを提示した。この際のペナルティーは公式記録に記録され、場内にもアナウンスされ、サントリーに1点とサービスが与えられた。
結論として、サントリーの26点目に対する名古屋のチャレンジ要求は成功し、サントリーの25―26となった上で、ニミルへの罰則のみが適用され、26―26で試合が再開された。つまり、一枚のレッドカードに対して1点ずるが相手チームに加算されるので、サントリー27―26で試合が再開されるべきところ、レッドカードのルール適用に誤りがあり、加算が1点不足したまま再開された。
「判定映像を投影した際に映像内のブロックタッチをした箇所に、丸印でマークが付けられる」ことについて、判定映像の該当箇所を拡大してビジョンに表示する際に最初から拡大するとプレー全体の流れが分からなくなるため、ループ映像の1回目はボールの動きを全体的に見せた上でループ2回目でポイントとなる部分に印をつけ、さらにわずかにボールに触れている場合は映像を拡大して投影するようにレフェリーに通知しているという。実際はわかりやすい映像に印をつけないこともあり、1回目から印をつけることもあるとし、今回も含めてチャレンジレフェリーが判断し、チャレンジオペレーターに伝えると説明した。
なお、記録上はルール適用の誤りが生じたが、試合は成立しているため、第4セットはサントリーの28―26とした。