◆JERA セ・リーグ 巨人4×―3広島=延長12回=(29日・東京ドーム)

 大勢がもたらしたサヨナラ勝ちだよね。11回を投げ終えてベンチに戻った時に、阿部監督が隣に来て「次も頼む」と言ったようだけど、大勢自身が、もうその気でいたんじゃないかな。

27日の阪神戦(甲子園)でも回またぎの姿勢を見せていたし。

 野手だって、大勢の心意気に応えたくなるよ。増田大の12回の超ファインプレー、それまで5打席無安打の吉川、岡本に出たヒットも、おおげさかもしれないけど、大勢のパワーだよ。

 これまで抑えのポジションを任されていたのに、今年はセットアッパーになった。誰にだってプライドはあるし、抑えという厳しい立場を全うするには、そのプライドが支えになることもある。それでも、大勢は自分のプライドよりもチームの勝利、チームへの忠誠心を優先した。自分の与えられた場所で働くんだ、という謙虚さを持っていることが、彼の一番すごいところだと思う。

 先発の井上は6回に末包に打たれたタイムリーに悔いが残るね。2死三塁。末包と次のファビアン、2人で1つのアウトを取る考えを持つべきだった。6回を3失点。昨年なら好投と言われても、今や左のエースになってほしいとみんなが期待している。

勝負所でのワンランク上のピッチングを望みたいね。(スポーツ報知評論家・宮本和知)

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