◆JERA セ・リーグ 巨人2―0広島(30日・東京ドーム)
思い通りにいかないことも多々あった。それでも阿部慎之助監督(46)は柔軟なマネジメントでチームを前に進めてきた。
「分が悪いところとかいろんなことがあるけど、総合的に貯金があるということはみんなの頑張りだと思う。これをずっと続けていけばたくさんの貯金ができるので。なかなか難しいと思うけど、今月は今月で素晴らしい月になったんじゃないかなと思います」
投手では開幕投手の戸郷が3戦未勝利で2軍降格したが、山崎、井上らが先発の柱になった。大勢、マルティネスが控えるブルペンは鉄壁。前日29日に2回投げた大勢がベンチ外となったこの日、中川が8回を完璧に抑えて層の厚さを見せた。無理のない運用をしながら新戦力の田中瑛らも奮闘。先制すれば12勝2敗、6回終了時にリードすれば10戦全勝の好成績がリリーフ陣の盤石さを物語る。
普段から阿部監督は「全員にヒーローになるチャンスがある」と選手に声をかけている。野手は丸が長期離脱、キャベッジも一時故障離脱し、現在はヘルナンデスと坂本が不振で2軍調整中。主力に誤算が生じる中で中山、笹原、萩尾、荒巻ら多くの若手に出場機会を与えてきた。
阪神に球団77年ぶりの開幕5戦5敗など苦しいこともあったが、結束して乗り越えてきた。9連戦は2連勝スタート。「とにかく一戦必勝で。また明日切り替えてやっていきます」。さあ5月。2年目の阿部巨人は着実に成長して力をつけている。(片岡 優帆)
◆ 陸、もっと上を目指して…阿部監督に聞く
―投手戦だった。
「大瀬良くんも素晴らしい投球で攻めあぐねた。本当に投手戦で1点勝負だなと思って見ていた」
―山崎は開幕35イニング無失点のセ・リーグ新記録。
「素晴らしい記録。なかなかできるものじゃないので。いつかは点取られますから。そうなった時にどうするか、本人がどう切り替えられるか。ゼロをずっと続けるのはなかなか難しいことなのでね」
―一塁でスタメン起用した増田陸が決勝打。
「なんか大城さんが全然合ってなかったので昨日。思い切って増田陸を使ってみようと思った。素晴らしい一打。ファームの時からずっと頑張っているのは見ていたので。こういう時に打てて、たぶん練習してて良かったなって思えたんじゃないですか。もっと上を目指してやってほしい」