◆JERA セ・リーグ 巨人2―0広島(30日・東京ドーム)

 オレンジ色の花束を受け取り、山崎は感慨深げに東京Dを見渡した。「リハビリから始まってここまで投げられるとは思ってなかった」。

20年6月に右肘のじん帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けた当初の自分からは考えもつかない記録達成だった。

 右腕の活躍が手術経験者に希望を与える。「復帰まで時間がかかるし、リハビリをしてる時は投げてる姿は想像がつかないけど一日一日が大事。僕の投げてる姿を見て、自分もあそこで投げるんだと、リハビリを頑張ろうという気持ちになってもらえたらうれしい」と自分と同様に手術を経験し、リハビリに励む後輩や、選手たちへ思いも口にした。手術直後、全く動かない肘に「本当に投げられるのかな」と不安を感じたことも、G球場の3軍戦でボールボーイをしたことも、同じく手術をした堀田と励まし合ったことも、今では思い出。つらい日々を乗り越えてきたからこそ、今の山崎がある。(巨人投手担当・水上 智恵)

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