◆パ・リーグ 楽天0―7オリックス(3日・楽天モバイル)

 オリックス・曽谷龍平投手(24)は最大の窮地でも穏やかだった。「投げていて楽しかった」。

2点リードの7回無死一、二塁だ。「宮城なら絶対に抑えている」と後輩のエース左腕を意識し、狙い通りの3者連続三振。3年目で最多の116球を投げ、自身1か月ぶりの2勝目を手にした。

 4月23日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)は4回5失点で降板。「由伸や宮城でも打たれることがある」と聞こえてきた。顔を上げると、比嘉投手コーチや投手主将の阿部がいた。「2人は自分のやるべきことを変えなかった。結果が出なくても、やってきたことを信じないと」。チームの歴史や個々の取り組みを知る先輩2人からの激励。「すごいボールを投げているから」と背中を押され、中9日での登板にかけた。

 仙台名物の牛タンに目がなく、昨季は7勝のうち楽天から5勝の荒稼ぎ。敵地・の楽天戦で7連勝を飾ったチームとともに、自身もプロ入りから5戦4勝だ。

今季3度目の3連勝で首位を走る岸田監督も「本当に粘って粘って締めてくれた。素晴らしいなと思います」と称賛。プチスランプを乗り越えた1勝には価値がある。(長田 亨)

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