◆米大リーグ オリオールズ0―4ロイヤルズ(3日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズの菅野智之投手は3日(日本時間4日)、本拠地で今季7戦目となるロイヤルズ戦に先発。雨天中断を挟み、6回を投げて1本塁打を含む4安打2失点。

3度目のクオリティースタート達成も、味方打線の援護なく、メジャーデビュー戦の3月30日(ブルージェイズ)以来の2敗目。チームは今季5度目の完封負けを喫した。菅野は1回終了時点で激しい雷雨に見舞われ、57分間試合が中断したが、2回以降も続投し、4奪三振2四球で防御率は3・00を維持した。4月5日(同6日)に記念すべきメジャー初勝利を挙げた相手から今季4勝目を狙ったが、好投は報われなかった。

 過酷な条件下、菅野の集中力は微動だにしなかった。当地を襲った激しい雷雨で、初回終了時で試合が中断した。菅野は初回、好打者ウィットからスイーパーで空振り三振を奪うなど9球で3者凡退。最高の立ち上がりに水を差されたが、雨が小降りになるとブルペンへ向かい、この日2度目のウォームアップ。中断から57分後に試合が再開すると、先頭のガルシアに左前打を許すも、続くマッシーをスプリットで狙い通りの二ゴロ併殺に。2回も球数6球で処理し、リズムを崩さなかった。

 「長く野球やってきて初めての経験だった。難しさはもちろんありましたけど、相手も同じ条件なんで、そこは切り替えていけたと思います」。

雨予報であれば、早めに中止が決まることが多い日本では、1時間の中断はまれ。百戦錬磨の菅野でさえ、未経験のチャレンジだったが、長時間座ることを避け、エアロバイクを漕いで体が冷えることを防ぐなど工夫を凝らした。

 気象条件に加え、2試合連続の中4日登板と日程的にもタフな条件だった。前々回登板が球数94球、前回登板は渡米後自己最多の95球と、球数が増えている中でのフル稼働。35歳右腕の耐久性が試されたが、開幕投手エフリンが戦列離脱、不調のモートンが中継ぎに配置転換され、先発の台所事情が苦しい中、直球のMAXは6回に94・7マイル(152キロ)をマーク。投ゴロ処理の反応も鋭く、力強いパフォーマンスだった。

 「僕は投げ切ったつもり。ただ、もう1個ボールにしても良かったかなって気もするけど、そこら辺は結果論になるから。無死二塁から2アウトとって、しっかり2ストライクにこぎつけて、もったいないと言えば、もったいなかったですね」と悔しがったのは、4回、ガルシアに低めのカーブを上手くすくわれた中前先制打。5回にはビジオにソロ被弾で2点目を失った。4被安打中3つが失点に結びついたのに対し、味方打線は三塁も踏めず、無得点。6回終了時で劣勢の展開では今季0勝18敗と反撃能力の低さを露呈。

今季5度目の完封負けだ。

 チームは怪我人が増加し、13勝19敗と東地区最下位に沈んでいる。

 「これ(故障)ばっかりは僕も経験がありますし、本人たちが一番もどかしい思いをしてると思うんで。全員が戻ってきたら、すごい戦力になると思いますし。まずチームとしては5分に戻すっていうところが目標になると思う。それまで踏ん張れるようにやっていきたい」と、前向きに語った。

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