◆東京六大学野球春季リーグ戦第4週第2日▽慶大6―1東大(4日・神宮)

 慶大が東大に連勝。勝ち点を2に伸ばした。

打の立役者は正捕手の渡辺憩(2年=慶応)だ。1-1で迎えた7回1死。東大の左腕・松本慎之介(2年=国学院久我山)の直球をフルスイング。左越えに今季1号、通算3号の勝ち越しソロをたたき込んだ。

 「ここ最近、打てていないことが多かったので、そろそろ取り返さないとヤバいと思っていた。強いスイングを心がけて、打席に入りました」

 この日の試合前まで、渡辺憩は25打数5安打の打率2割だったが、値千金の一撃で勢いづいた打線はこの回、打者一巡の猛攻で一挙5点をマーク。一気に突き放した。

 2023年夏の甲子園では、慶応を107年ぶりの日本一に導いたアスリート型捕手。慶大に入学直後の昨春リーグ戦・法大戦では、東京六大学史上初の初打席代打サヨナラ本塁打を放つ鮮烈デビュー。3季目のシーズンに「高校と一番違うのは投手のレベル。真っ直ぐの速さ、変化球のキレのレベルが違う。徐々に成長できているのかなと思う」と語った。

 堀井哲也監督(63)は「苦しいところで渡辺が1本打ってくれたのも、大きい1点だった」とヒーローをたたえた。渡辺憩は「捕手としてのレベルはまだまだだと思っている。きょうも盗塁を3つ許してしまった。基礎から見つめ直し、練習の時から試合を意識していきたい」と反省も忘れなかった。(加藤 弘士)

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