◆米大リーグ ブレーブス3―10ドジャース(3日、米ジョージア州アトランタ=トゥルイストパーク)

 ドジャースの佐々木朗希投手(23)が3日(日本時間4日)、敵地ブレーブス戦で、メジャー自己最多98球で5回を投げ、6安打3失点で今季7戦目にしてメジャー初勝利を挙げた。雷を伴う大雨の影響で開始が3時間6分遅れ、現地時間午後10時21分に開始。

異例の日またぎ登板で待望の白星を手にした。23歳6か月での先発勝利は、NPBからメジャーに挑戦した選手としては、18年大谷翔平(エンゼルス)の23歳8か月を上回り最年少記録となった。

 長かった。メジャーデビューから約1か月半。試合が終了し、念願の初勝利が決まったのは4日の午前1時26分だった。5回を投げ終えたのは同午前0時9分。試合後、クラブハウスで同僚からビールシャワーで祝福を受けると「まずはホッとしてますし、うれしい。(日またぎは)初めて。初勝利もすごく思い出に残る」と頬を緩めた。

 悪天候で開始が3時間も遅れたバタバタな一日。ベストを尽くすべく、冷静を心がけた。試合開始時刻が読めない状況にも「食事を取ったり、ある程度のことを先に終わらせた。

急に始まると聞いてたので、ルーチンを済ませ、その後はぶらぶらしたり、ゆっくりした」。マイペースを貫き、音楽を聴くなどリラックスして過ごした。

 ただ軸となる直球の最速は96・7マイル(約155・6キロ)と今季最も遅く、フォークボールの鋭さはいまひとつ。「締まらない投球だった」と反省したように、先制点をもらった直後の2回に追い付かれ、7―1で迎えた4回にも2点を失った。6安打を浴び3四死球を与えた。それでも勝利投手の権利が懸かった5回はギアを上げ3者凡退。移籍後最多の98球で交代した。

 日本人先発投手の23歳6か月での勝利は、09年田沢(レッドソックス)の23歳2か月、98年のマック鈴木(マリナーズ)の23歳3か月に次ぐ年少3位。NPBからメジャーに挑戦した選手では、大谷の23歳8か月を上回り最年少記録となった。

 「頼りになる投手になりつつある」とロバーツ監督。次戦は9日(同10日)の敵地ダイヤモンドバックス戦で、これまでより1日間隔の短い中5日で先発させることを明かした。ロッテ時代の5年間で一度も経験がない中5日登板だ。

「最初は特にチームに貢献できなかった。納得いくものではないけど、徐々に仕事ができ、今日は野手と後に投げた投手に試合をつくってもらって勝てた1勝だと思う」。トルネード旋風で全米を席巻した野茂英雄も初勝利は7戦目―。感謝の1勝を手にした若き怪物右腕も、ここから巻き返していく。

 ◆メジャーでの長時間の中断や開始遅延 シーズン162試合を戦う過密日程に加え移動も長距離となるメジャーでは、当初に決められた日程の中でカード全試合を消化することが通例。そのために長時間の中断や開始遅延、雨天中止となった場合は翌日に急きょダブルヘッダーを組むことは“メジャーあるある”だ。1990年8月12日のWソックス・レンジャーズ戦(シカゴ)では悪天候のため午後1時35分の開始予定から7時間23分遅延させた。結局、午後8時58分に中止が決定したが、日程消化への姿勢を物語る例だ。

編集部おすすめ