◆東京六大学野球春季リーグ戦第4週第2日▽早大3―0立大(4日・神宮)
早大が3-0で立大に雪辱し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。最速147キロ左腕の宮城誇南(こなん・3年=浦和学院)がリーグ戦初完投を5安打完封で飾った。
* * *
早大のスタメン表を見て驚いた。7番の大内碧真遊撃手(3年)から8番の吉田端樹捕手(4年)、9番の宮城まで浦和学院のOBが3人並んでいたからだ。
浦学といえば言わずと知れた強豪私学。前監督の森士(おさむ)さんは早大大学院でスポーツマネジメントを学び、現監督の森大さんは早大OBで早大大学院博士課程でも学ぶなど、早大とは何かと縁が深い。
宮城が初完封を飾っただけではない。1点リードの2回1死、大内がバットをものすごく短く持って中前安打で出塁すると、すぐさま二盗を成功。続く吉田瑞が左前適時打で追加点をたたき出すなど、“浦学トリオ”の連なりは見事に機能した。
試合後の小宮山悟監督(59)を直撃すると、「偶然だよっ!」と一笑に付された。しかし、指揮官は次の瞬間、思いを巡らせこう続けるのだった。
「欲を言えば、大内が爆発的な活躍をして、(正遊撃手の)渋谷を脅かすというのが、正しい浦和学院の並びではないかと思います」。大内への期待を口にするとともに、ハイレベルな“突き上げ”に期待を込めた。
ちなみにこの日、浦和学院は県営大宮で行われた春季高校野球埼玉大会決勝で叡明を7-2で破り、3年ぶりの優勝。
脳内で応援曲「浦学サンバ」がリピート再生し続ける、5月4日のアマ球界であった。(加藤 弘士)