◆パ・リーグ 日本ハム3―2西武(4日・エスコン)

 日本ハムは4日、西武戦(エスコン)を3―2で制し、再び貯金を3とした。「3番・DH」で出場したフランミル・レイエス外野手(29)は、初回に先制の左越え5号2ランを放つと、3回には追加点を生む右中間適時二塁打。

この2連戦、チームの全6打点をたたき出した。昨季も開幕直後に苦しんだ助っ人砲は、状態が上がってきたことを実感。気温の上昇とともに、いよいよレイエスの季節がやってくる。

 狙っていた真っすぐを、レイエスは完璧に打ち返した。打球が左翼席に消えると、満員のスタンドが揺れる。初回1死一塁、西武先発・隅田の147キロを捉えた。4日の最終打席から2打席連発となる、先制の左越え5号2ラン。「カンペキ。真っすぐしか狙ってなかった」。試合前までリーグトップの防御率0・58だった隅田の連続無失点を26イニングで止めると、3回にも無死一塁から右中間適時二塁打を放ち、2打数2安打3打点、2四球。2連戦の全6打点を1人でたたき出した。

 苦しんでいた。

4月29日までの10試合で33打数4安打、打率1割2分1厘。同30日から2試合欠場し、練習では2人分の時間をもらいフリー打撃。「全くボールを感じていない、自分の感覚じゃない。ちょっとでも取り戻したかった」。技術面でも「動かしすぎていた」というバットを、投手が動くまで静止。復帰後即2戦連発につなげた。

 今季から本塁打後に行っている“ドラミング”のパフォーマンス。「一緒にできるパフォーマンスをやりたかった。ゴリラのイメージと結びつけて始めました」と意図を説明。「できればここで引退したい。引退した後もバナナを見たらレイエスだみたいな、そういうのを増やしたい」とファンへの思いを明かした。

 新庄監督は「低めのボール球を振らないのが余裕につながっている。

何がきっかけか聞きたいけど、髪かな(笑)」と、ドレッドからスキンヘッドに変えた髪形にも注目。レイエスは「違う違う。ダメージが目立たないように、いつか全部切ってリセットしないといけなかった」。母親ら家族は験担ぎも込めてスキンヘッドの続行を勧めているが、本人は「ちょっと嫌ですね」と苦笑いだ。

 昨季は5月中旬に、2軍落ちした段階で2本塁打3打点。6月以降に巻き返しベストナインまで受賞した。「それができるプレーヤーだと自分が再認識すること」ときっかけを明かしたレイエス。5発17打点と数字も残しているが、気温の上昇とともに、状態はさらに上がっていく。(山口 泰史)

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