◆春季高校野球神奈川県大会▽準決勝 横浜7-2相洋(5日・横浜スタジアム)
センバツ覇者の横浜が相洋を7-2で下し、昨秋の新チーム発足から続く公式戦連勝を24に伸ばした。村田浩明監督(38)は4月下旬に主力選手4人と井上尚弥のスパーリングを見学し、闘魂注入したことを明かした。
五月晴れのハマスタに、横浜ナインが快音を響かせた。2点を先取される重苦しい展開にも、闘志全開で立ち向かった。4回1死二塁では背番号17の伊藤大和(3年)が同点の右越え2ラン。6回1死満塁では小野舜友の決勝右前打を手始めに、一挙5点と勝ち越した。劣勢にも負けない心の背景を、指揮官は説明した。
「井上尚弥さんを見に行ったんです。『チャンピオンがチャンピオンであることを、学びに行こう』と。最終のスパーリングを見に行きました。“気”がすごかった。『基本に忠実に』と、井上さんはそれだけしか言わなかったんです」
井上が所属する大橋ボクシングジムの大橋秀行会長は横浜OB。村田監督と親交が深い。くしくも同時刻、井上の防衛戦が行われている中、逆転で勝ちきった。
5番手救援したエース左腕・奥村頼人(3年)は「人生で初めて、一言もしゃべれないというか…すごく圧倒されました」と“モンスター”との尊い時間を回想。「井上さんはスパーリング後も基礎練習を忠実にやられていた。自分たちにも生かせる部分だと思います。打撃練習後に素振りをするとか、投球した後にシャドーをして終わるとか、基礎に戻って終わることが次の日につながるとおっしゃっていた。そこが勉強になりました」と瞳を輝かせた。
決勝は東海大相模との名門対決。あしたのために、打つべし-。(加藤 弘士)