◆第30回NHKマイルC・G1(5月11日、東京・芝1600メートル、良)

 3歳のマイル王決定戦は18頭で争われ、松山弘平騎手が騎乗した9番人気のパンジャタワー(牡3歳、栗東・橋口慎介厩舎、父タワーオブロンドン)が栄冠をつかんだ。道中は中団で運ぶと、直線外に持ち出されると豪快に伸びて前を飲み込み、最後は後続の猛追をぎりぎりしのいだ。

前走のファルコンS4着から巻き返し、G1初制覇。橋口調教師は18年のJBCスプリント(グレイスフルリープ)以来となるG1制覇。父のタワーオブロンドンは18年に12着に敗れていたが、そのリベンジを果たし、父の産駒でJRA・G1初勝利を贈った。

 2着に3番人気マジックサンズ(武豊騎手)、3着は12番人気チェルビアット(マイケル・ディー騎手)が入った。勝ち時計は1分31秒7。3連単は150万5950円の高配当となった。

 4番人気のランスオブカオス(吉村誠之助騎手)は中団につけ、直線はスムーズに進路を取ると、いったんは先頭に立つかの勢いで伸びたが5着まで。デビュー2年目の吉村騎手はJRA・G1最年少勝利記録更新がかかっていたが一歩及ばなかった。

 吉村誠之助騎手(ランスオブカオス=5着)「きょう芝のレースに乗っていて内外の差がありました。ですがこの枠だったので内を回ってきました。テンションも程良く、具合は本当に良かったです。想定のポジションでは運べたんですが、ペースが流れたのを追走してしまった。

外から中団にいた馬が伸びていたのでね。もっといいところで走らせてあげられなかったのは僕のミスです。それでも5着に粘ってくれましたし、力のあるところは見せてくれたと思う。順調に成長していって欲しいです」

 ダミアン・レーン騎手(サトノカルナバル=6着)「外枠から好スタートを切ったけど一列後ろで運んだ。道中はリズム良く運べて直線ではスペースを作りたくて外に出した。残り400メートルから脚を使ってくれた」

 田辺裕信騎手(マピュース=7着)「できればもう少しポジションを取って運びたかったけど、一線級相手で序盤の速さが違って、無理に位置を取るとリズムが悪くなるのでじっくり運んだ。最後は脚いろが一緒になってしまった。以前速い時計で走っているとはいえ、それより1秒くらい速かったのでね」

 横山武史騎手(マイネルチケット=8着)「ポジションが取れればいいなと思っていたけど、スタートが決まらずしまいにかける競馬をした。まだ体が緩いなかでしっかり脚を使ってくれたと思います。これから先が楽しみです」

 岩田望来騎手(ヤンキーバローズ=9着)「折り合いはうまくついた。もう少し攻める競馬をしても良かったとは思うけど、収穫のあるレースができた。まだ幼いところがあるのでこれからさらに良くなってG1の舞台に戻ってくれれば」

 菅原明良騎手(コートアリシアン=10着)「しまいは来ていたのでゲートだけですね。

あんなことになるとは思わなかったし、ビックリしました」

 鮫島克駿騎手(ミニトランザット=12着)「ポジションは気にせずにリズム良く、折り合い良くレースをして、パンジャタワーを見られるポジションで運べた。一瞬グッときたけど最後は同じ脚になってしまった」

 佐々木大輔騎手(アルテヴェローチェ=13着)「前回より落ち着いていました。前走からゲートが怪しくなっていたけど、ギリギリ耐えてくれた。ただ、落ち着いて走れていた割には伸び切れなかった」

 浜中俊騎手(ヴーレヴー=15着)「返し馬から落ち着きがあったのはいい傾向。これがいい経験になったと思う」

 池添謙一騎手(ショウナンザナドゥ=16着)「正直、体がマイナス2キロだったけどギリギリの感じでした。プランとしてはためる形で位置取りは完璧だったし、馬場もいいところを走れた。これで伸びなかったらという競馬はできた。これから成長する馬だし体がしっかりしてくれば」

 木幡巧也騎手(ティラトーレ=17着)「距離はマイルがいいですね。一瞬グッと来るところはあったんですが…」

 北村友一騎手(トータルクラリティ=18着)「うまくレースで力を発揮できていない。けいこの感じからはもう少しやれていいけどメンタルが難しい」

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