◆プロボクシング ▽ライト級(契約体重133ポンド=60・3キロ以下)10回戦 〇堤駿斗 (3回TKO)ハイメ・アルボレダ●(5月11日、東京・大田区総合体育館)

 WBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(志成)が同級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に挑む世界戦のセミファイナルで、元東洋太平洋フェザー級(57・1キロ以下)王者でWBA世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)4位・堤駿斗(志成)が、WBA世界スーパーフェザー級15位ハイメ・アルボレダ(パナマ)と対戦。3回2分39秒,TKO勝ちして、無傷のプロ7連勝を決めた。

 戦績は25歳の堤が7戦全勝(4KO)、30歳のアルボレダが20勝(15KO)4敗。

 堤は初回からワンツー、左ボディーでポイントを稼ぐと、3回、左フックで最初のダウンを演出。立ち上がったアルボレダにさらにパンチをたたみかけると、防戦一方の相手を見てレフェリーが割って入った。

 「左フックは狙っていたと言うより、得意パンチだったので自然と出た。(相手の)気持ちが弱気になった時にたたみかけました」と堤。髪をコーンロウに編んだ25歳はおいしそうに水を飲んだ。「今日は5月11日で母の日。お母さんには日頃ありがとうと言えないので、恩返ししようと気合が一層入っていた。お母さん、ありがとう」とリング上で母親への感謝の言葉をつないだ。

 昨年の大みそか、中止になった井岡の世界戦に代わり、急きょメインイベンターとして元WBA世界スーパーフェザー級王者レネ・アルバラード(ニカラグア)に8回TKO勝ち。アマチュア13冠を誇り、プロでもデビューから7連勝を決め、WBA世界スーパーフェザー級王者レイモント・ローチ(米国)への挑戦をアピールした。

 ローチは3月、ライト級でWBA王者ジャーボンタ・デービス(米国)に挑戦してドローと健闘してみせた。

堤は「タンクに引き分けたローチに通用するボクシングというのを、自分はずっとイメージして作ってきた」という。ローチに勝つためにジャブとワンツーを磨いてきたと明かした。「今ならローチにでも、暫定王者のバティルガジエフ(ロシア)にでも勝てますよ」と堤は自信を見せた。

 この日、堤と、米国で最も権威のある専門誌「ザ・リング」とのトランクス・スポンサーおよびアンバサダー契約が明らかになった。アンバサダー契約は、2日に米国ニューヨークでレベール・ウィッティントン(米国)に判定勝ちしてプロデビューを飾った弟・麗斗(志成)も結んでいる。「ここ数戦、良い内容で勝っているので評価されたのかも」という兄は「(世界王者を)倒せるように精進したい」と力を込めた。

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