◆大相撲 ▽夏場所初日(11日、東京・両国国技館)

 横綱・豊昇龍(25)=立浪=は小結・若隆景(30)=荒汐=を押し出し、白星発進した。新横綱の先場所は右肘痛などで途中休場。

巻き返しを期す横綱2場所目を快勝で滑り出した。大関・琴桜(27)=佐渡ケ嶽=は西前頭筆頭・王鵬(25)=大嶽=の肩透かしに屈した。

 豊昇龍の表情に気迫がみなぎった。立ち合いで鋭く踏み込み、右のど輪で若隆景をのけぞらせ、3秒で土俵外に押し出した。過去6勝6敗の難敵を危なげなく退け「(出足は)悪くなかった。勝てて良かった」とうなずいた。

 新横綱として臨んだ3月の春場所の初日は阿炎に敗れて黒星発進。右肘痛などで10日目から休場した。「先場所のことは終わったこと。それは忘れた」と無念は胸にしまった。今場所前には出稽古を取りやめて治療にあてる日を設けるなど、細心の注意を払って調整。右肘に巻いていたサポーターは「今場所はつけない」と外し、初日を迎えた。

 横綱として初めて本場所の初日を白星でスタート。持ち味を示して勝った豊昇龍の結びの一番を、高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「強い相撲だった。気迫も内容も言うことなし」と称賛。八角理事長(元横綱・北勝海)も「15日間相撲を取ること。全部出ることで自信も付く」と期待。豊昇龍は横綱初Vへ「しっかり一日一番、集中してやりたい」と力を込めた。(林 直史)

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